WiMAX 2.1(ワイマックス・にぃてんいち)は、WiMAX(ワイマックス)の規格のひとつ。正式には WiMAX Release 2.1(ワイマックス・リリース 2.1)だけど、単に WiMAX 2.1(ワイマックス 2.1)ということが多い。
この規格に対応したサービスは、2013年から実用化した。
WiMAX は当初、家庭やオフィスに設置された機器をインターネットにつなぐための無線通信技術として開発された。つまり、光ファイバーなどの固定回線の代わりとして使うものだった。
その後、さまざまな追加規格が生まれるなかで、移動体通信に対応する規格(IEEE802.16e、IEEE802.16h および IEEE 802.16e-2005)がつくられた。そして、これはモバイルWiMAX と呼ばれている。
2011年3月には、これらを進化させた IEEE802.16m という規格が登場。これを、WiMAX 2(ワイマックス・ツー)という。
ところが、WiMAX 2 のサービスが始まる前に、さらに機能を追加した WiMAX 2.1 が登場。そして、WiMAX 2.1 の中に WiMAX 2 が含まれている。
WiMAX 2.1 は、WiMAX 2 にLTE と呼ばれる規格の一部を追加したもの。LTE は携帯電話でも使われている 3.9G のモバイル通信技術。具体的には、上りと下りで同じ周波数を使い、時間を区切って上下交互に通信する TD-LTE という方式を取り入れた。
なお、WiMAX 2.1 は、過去の WiMAX と互換性が保たれているので、WiMAX 2.1 対応の機器でそれ以前の WiMAXサービスを使うことができる。
2013年10月、UQコミュニケーションズが WiMAX 2.1 に対応したサービスを開始した。名称は WiMAX 2+(ワイマックス・ツープラス)。
2020年現在、UQコミュニケーションズの WiMAXサービスを、単に UQ WiMAX(ユーキューワイマックス)ということが多い。しかし、これは WiMAX 2+ と同じもの。
ほかにも数社、WiMAX 2.1 に対応したサービスを提供している会社があるけど、これらはすべて UQコミュニケーションズから設備を借りている MVNO(仮想移動体通信事業者)。そのため、どの会社と契約しても実質的に UQ WiMAX のサービスを使うかたちになる。
初稿公開:2016年7月
最終更新:2020年5月
執筆:下島 朗