SIMカード(シムカード)は、携帯電話機やスマートフォンに入っている小さな ICカードで、この中に電話番号やユーザーを特定するための ID番号などが記録されている。
SIM は、Subscriber Identity Module(サブスクライバー・アイデンティティ・モジュール)の略で、かなり意訳すると「契約者を確認するための規格部品」といった意味。
携帯電話機やスマートフォンは、本体だけでは通話や通信ができない。内部に SIMカードを入れることで、すべての機能を使えるようになる。
SIMカードは、大手キャリア(携帯電話会社)や MVNO(いわゆる格安の携帯電話会社)と契約すると、その会社のサービスに適合したものが提供される。
そして本来は、携帯電話やスマホの機種変更をするとき、SIMカードを差し替えれば、どのメーカーのどの電話機でも同じ電話番号で使うことができる。
あるいは、ひとりで複数の端末(携帯電話機やスマホ)を持っていて、状況に応じて SIMカードを差し換えて好きな端末を使うといったこともできる。
しかし実際には(特に日本では)、キャリア(携帯電話会社)の枠を超えて SIMカードを差し替えることができないように制限されてきた。これを SIMロックという。
しかし、段階的にその制限が解除されて、今は原則、一定期間が経過すると SIMロックを解除できるようになっている。SIMロックが解除された状態、あるいは解除できる端末やサービスを SIMフリーという。
なお、SIMカードのことを UIMカード(User Identity Module カード)とか USIMカード(Universal Subscriber Identity Module カード)などということもある。厳密には少し機能が違うといわれるけど、実質的に同じものだと思っていい。
SIMカードには複数のサイズがあって、大きさに応じて miniSIMカード(ミニシムカード)、microSIMカード(マイクロシムカード)、nanoSIMカード(ナノシムカード)などと呼ばれている。
端末によって、どのサイズの SIMカードが合うか決まっている。なお、異なるサイズに合わせるためのアダプターも存在する。しかし、非公式なものなので使用は自己責任になる。
また今は、物理的な SIMカードを挿入するのではなく、あらかじめ端末の本体に SIM の機能を持った部品やプロフラムを内蔵しておいて、あとから遠隔操作で機能を有効にするといった方法もある。これは、eSIM(イーシム)と呼ばれている。
初稿公開:2011年6月
最終更新:2020年6月
執筆:下島 朗