RAID(レイド)は、複数の HDD(ハードディスク)や SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)を組み合わせて使うことで、データの読み書きを速くしたり、故障によってデータを失うリスクを減らす技術。
RAID には複数の方式があって、それぞれ特徴や使用目的が違う。RAID 1(レイド1)は、基本的な方式のひとつで、同時に 2台の HDD(SSD)に同じ内容を書き込んでいく。
こうすることで、片方の HDD(SSD)が故障しても、もう 1台からデータを読み出すことができる。故障した方は交換して、また 2台に同じデータを保存しておけば、次に故障が発生したときも大丈夫。
また、こうしておくことで、HDD(SSD)が故障しても業務用のサーバーやストレージを止めることなく使い続けることができる。
たとえば、個人のパソコンでも大事なデータを外付けHDD などにコピーしていると思う。いわゆる、バックアップといわれるものだ。最近は、クラウド型のストレージにデータを保存していることも多い。
RAID 1 は、正確にはバックアップとは異なるものだけど、実質的にはバックアップ作業を自動的に行ってくれる便利な技術と考えると理解しやすい。そして、このように自動的に 2重保存することをミラーリングという。.ただし、RAID 1 を使うと HDD(SSD)の容量が半分になる。
たとえば、コンピューターネットワーク(LAN)に直接つないで使用する NAS という記憶装置がある。仮に、この中に 2台のHDD が内蔵されていて、それぞれの容量が 1TB(テラバイト)だとする。 そのまま使えば合計 2TB の HDD として使うことができる。
しかし、RAID 1 が設定されていると、2台の HDD に同じデータが同時に記録されていくため、最大 1TB のデータしか保存できない。
これは、明らかに容量をムダにしている。しかし、データを失うリスクを考えると、これは必要なムダということになる。そして、このように実際にはムダでも現実的な対処をすることを IT業界では冗長化という。
RAID には、ほかにも複数の HDD(SSD)を組み合わせることでデータを守る方式がある。他の方式については RAID の解説ページから参照してほしい。
初稿公開:1999年12月
最終更新:2021年3月
執筆:下島 朗