RAID(レイド)は、複数の HDD(ハードディスク)や SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)を組み合わせて使うことで、データの読み書きを速くしたり、故障によってデータを失うリスクを減らす技術。
RAID には複数の方式があって、それぞれ特徴や使用目的が違う。RAID 0(レイド0)は、基本的な方式のひとつで、データを分割して 2つの HDD(SSD)に同時に書き込んでいく。これによって、データの読み書きが速くなる。
他の RAID方式は、記憶装置が故障してもデータを失わないことを目的にしている。これに対して、RAID 0 は読み書きのスピードアップを目的にしていて少し異質だ。
たとえば、個人のパソコンでも大量のデータを外付けHDD にコピーしようとすると数十秒から数分くらい待たされることがある。業務用のコンピューターでは、複数の人が同時にデータを読み書きしようとするため、こうした遅延が起きやすい。
そのため RAID 0 は、保存するデータを自動的に分割して、2台の HDD(SSD)に同時に書き込んでいく。データを読み出すときも、2台の HDD(SSD)から同時に読み出して復元する。これを、ストライピングという。
こうすることで、読み書きの速度を上げることができる。ただし、どちらか一方の HDD(SSD)が故障すると、すべてのデータが読み出せなくなる。
そのため今は、同じデータを自動的に 2つの HDD(SSD)に書き込む RAID 1 と組み合わせて、分割して読み書きスピードを上げつつデータの安全性を高める RAID 10 という方法も使われている。
ただし、RAID 0 は HDD(SSD)が 2台あれば実現できる。しかし、RAID 10 は最低 4台の HDD(SSD)が必要になる。
RAID 0 以外の方式については、RAID の解説ページから参照してほしい。
初稿公開:1999年12月
最終更新:2021年3月
執筆:下島 朗