OFDMA は、無線通信で電波を効率よく使う技術のひとつ。Orthogonal Frequency Division Multiple Access の略で、そのまま「オーエフディーエムエイ」と読む。日本語では「直交周波数分割多元接続」という。
携帯電話でも無線LAN でも、当初は利用者の数も送受信されるデータ量もあまり多くなかった。しかし年々、通信量が増えて、それに対応するために限られた電波で効率的に通信する技術が開発されてきた。
OFDMA もそうした技術のひとつで、LTE と呼ばれる携帯電話のデータ通信や無線LAN 規格の IEEE802.11ax、モバイルWiMAX と呼ばれるデータ通信サービスなどで使われている。
1本の通信線や 1種類の電波で、同時に複数の通信を行う技術として、FDM や TDM がある。 FDM(Frequency Division Multiplexing:周波数分割多重化)は、一定の周波数を分割して使う方法。TDM(Time Division Multiplexing:時分割多重化)は、短い時間(ミリ秒単位)で区切って複数の通信を行う。
そして、こうした方式を使って通信することを、それぞれ FDMA(周波数分割多元接続)、 TDMA(時分割多元接続)という。
その後、さらにきめ細かく電波を分割して、複数のユーザーに対して同時に効率よくデータを送る通信技術が開発されてきた。そのひとつに OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing )がある。
OFDMA は、OFDM を使って、ひとつの周波数をより細かく分割してブロック化し、同時接続しているユーザーの通信内容に応じて接続状態を変化させていく。これによって、接続しているのにデータが流れていない帯域を減らすことができる。その結果、電波の利用効率が上がる。
初稿公開:2018年5月
最終更新:2020年2月
執筆:下島 朗