nanoSIM(ナノシム)の SIM は、SIMカードの略。そのため、より正確に「nanoSIMカード」ということもある。
SIMカードは、携帯電話機やスマートフォンの中に入っている小型の ICカードで、電話番号やユーザーを特定するための情報などが記録されている。nanoSIM は、そのサイズを表す言葉。
最初に規格化されたSIMカードは、クレジットカードくらいの大きさだった。これは、自動車電話で使うためだったといわれる。その後、携帯電話の普及に伴って SIMカードが小型化されて miniSIMカード(標準SIMカード)が使われるようになった。
さらに、電話機やスマートフォンの小型化に伴って、より小さな microSIM(マイクロシム)が規格化されて普及した。そして今は、最も小さな SIMカードとして、幅12.3mm×高さ8.8mm×厚さ0.67mm の nanoSIMカードが広く使われている。
どのサイズの SIMカードでも、情報を記録する ICチップの部分は同じ大きさで、データの保存方式なども変わっていない。nanoSIMカードは ICチップとほど同じサイズまで小型化されている。
おそらく、これ以上は小さくできないので、今後はeSIM(イーシム)が増えていくと思われる。これは、脱着式の ICカードを使うのではなく、スマートフォンの中の部品に契約情報を書き込む方式。
なお、電話機の機種変更などの際に、対応する SIMカードの大きさが変わることがある。その場合、携帯電話会社に連絡してサイズの違う SIMカードに交換することができる。ただし、基本的に有料だ。
非公式ながら、小さな SIMカードをより大きな SIMカードのスロットに対応させるアダプターもある。逆に、大きな SIMカードを切って小型化する方法がインターネット上で紹介されている。
しかし、どちらも自己責任でトラブルのリスクが高い。SIMカードはユーザーの所有物ではなく携帯電話会社からの貸し出し品なので、これらの方法は使わないほうがいい。
初稿公開:2015年7月
最終更新:2020年7月
執筆:下島 朗