LTEアドバンスト(LTE-Advanced)は、2015年ころから提供が始まった、スマートフォンなど携帯端末の高速データ通信の技術、あるいはその方式。
LTEアドバンストの前に、LTE(Long Term Evolution:ロング・ターム・エボリューション)と呼ばれる通信方式が普及していた。
LTE は、今は 4G(第4世代移動通信システム)の通信技術とされているものの、正確には 3.9G(第3.9世代移動通信システム))、つまり 4G の一歩手前の技術だった。これに対して LTEアドバンストは、正真正銘の 4G 技術とされている。
具体的には、キャリアアグリゲーション(CA)や MIMO(マイモ)といった技術を使うことで、LTE よりさらに高速な通信が可能になった。あるいは、高度化C-RAN や HetNet(ヘテロジニアスネットワーク)、CoMP といった技術で接続性が向上したり切れにくくなったりしている。
LTEアドバンスト導入の先陣を切ったのは au で、2014年夏に「au 4G LTE」というサービスにキャリアアグリゲ―ションの機能を追加した。一方、NTTドコモは2015年3月に「PREMIUM 4G」(プレミアム4G)という名称で LTEアドバンストに対応したサービスを開始している。
LTEアドバンストの普及で、携帯電話(スマートフォン)のデータ通信の速度が有線のインターネット並みに高速化した。そして、映像などの大容量コンテンツをスムーズに配信できるようになった。
しかし、携帯通信の高速化と大容量化は止まることなく、2020年3月には 5G(第5世代移動通信システム)のサービスが始まっている。
初稿公開:2016年6月
最終更新:2020年5月
執筆:下島 朗