LED とは、Light Emitting Diode(ライト・エミッティング・ダイオード)の略で、電気を通すと光る半導体の一種。日本語では、「発光ダイオード」という。
基本的には、電気製品の中に入っているトランジスタや半導体部品の仲間になる。しかし、多くの半導体が電気をコントロールする目的で使われているのに対して、LED は電圧をかけると発光するという特殊な性質を持っている。
そのため現在、特にエコ関連の分野で LED というと、LED の素子を発光体として使った LED照明を指すのが一般的。このほか LED は、パソコンやスマートフォン、デジタルサイネージなどの表示装置、あるいは、いわゆる液晶テレビとしても広く使われている。
さて、ひとくちに LED照明といっても、住宅やオフィス、工場や店舗で使われる照明器具のほか、ペンライト(懐中電灯)、自転車や自動車のヘッドライト、信号機や掲示板などさまざまな製品や用途がある。
LED照明の特長は、まず消費電力が少ないこと。蛍光灯の約半分、白熱電球の約10分の1ほどの電気で、ほぼ同じ明るさを得られる。
次に、寿命が長い。蛍光灯型LED で約4万時間=約10年の使用が可能とされている。しかもこれは、10年で光らなくなるという意味ではない。当初の明るさの 70%まで光量が落ちる時期を予測して、それを寿命として設定したものだ。
そのため、一般家庭やオフィスでは買い替えの手間が減るというメリットがある。さらに、天井が高い工場や倉庫、街灯や信号機では交換頻度が減る分、メンテナンス費用を削減できる。
ほかにも、従来の電球に比べて発熱が少ない、紫外線をほとんど出さないので虫が寄りにくい、店舗では商品の色アセが起きにくいといったメリットがある。さらに、蛍光灯は水銀を含むため廃棄後の処理にコストがかかるけど、LED は有害物質が少ないので環境負荷が少ないとされる。
初稿公開:2016年3月
最終更新:2019年5月
執筆:下島 朗