LED照明とは、LED(発光ダイオード)を光源にした照明器具の総称。
一般的には、単に LED(エルイーディー)と呼ばれることが多い。しかし本来の LED は、発光体として使われている半導体部品のこと。そして照明器具だけでなく、電子掲示板や信号機、あるいは家電製品の電源ランプなどにも LED が使われている。
また LED は、パソコンやスマートフォン、デジタルサイネージなどの表示装置、あるいは液晶テレビとしても普及している。
LED照明には、従来の白熱電球やハロゲンランプの代わりになる LED電球、直管型蛍光灯に替わる蛍光灯型LED、丸型蛍光灯を使った天井直付け照明に替わる LEDシーリングライト、水銀灯や HIDランプと呼ばれる業務用照明に替わる水銀灯型LED などがある。
もちろん、LED電球を使ったダウンライト、天井吊り下げ型のペンダント、電気スタンド、ペンライト(懐中電灯)なども作られている。
LED照明の最大の特長は消費電力が少ないこと。ざっくり言って、蛍光灯型なら約半分、電球型なら約10分の1、水銀灯型なら約5分の1ほどの電気で、ほぼ同じ明るさを得ることができる。
また、LED(発光体)の寿命が長く、一般に 10万時間くらいとされている。ところが、初期の LED照明は短期間で点灯しなくなるケースもあった。これは、LED素子の故障ではなく背面の基盤や回路の不具合によることが多い。特に海外製の安価な製品で、こうした傾向が見られた。
当初、LED の光は直線的で広がりにくい、柔らかさが出ないといった声が多かった。しかし、器具や光源の改良で、そういった声も減っている。むしろ、いくら見ても白熱電球なのか LED電球なのか見分けがつかないことが多くなった。
なお、電球型の場合は、既存のソケットに付け替えるだけで使用できる。しかし、蛍光灯型や水銀灯型の場合は安定器カットと呼ばれる工事をするか、器具ごと交換する必要がある。安定器カットの作業には電気工事士の資格が必要で、今は機器ごと付け替えるケースが多い。
初稿公開:2016年3月
最終更新:2019年5月
執筆:下島 朗