FDM は、1本の通信線や 1種類の電波で同時に複数の通信を行うとき使われる技術のひとつ。
Frequency Division Multiplexing(フリークエンシー・ディビジョン・マルチプレクシング)の略で、日本語では「周波数分割多重化」という。最後の単語を Multiplex(マルチプレックス)にして、「周波数分割多重」ということもある。
1つの通信線や 1種類の電波で同時に複数のデータを送る方法はいくつかあって、FDM はその中のひとつ。簡単にいうと、一定の幅の周波数をさらに分割して、それぞれ別の通信を行う。
例えていうと(あくまでもイメージだけど)、今ここに 2人の人がいて、同時に電話をかけたいとする。ところが、使える電話機が 1台しかない。しかし、2人の声の高さが明らかに違えば、同時に話しても聞き分けることができる。
電気通信は、一定の周波数の電波にデータとなる信号を加える(混ぜる)ことで情報を送っている。実際には、このベースとなる一定の周波数を変えることで同時に通信することができる。これが FDM=周波数分割多重化の原理。
なお、この技術を使って同時に複数の機器を接続する(通信できる状態にする)ことを FDMA(周波数分割多元接続)という。
FDM(周波数分割多重化)のほかにも、代表的な多重化の方法として短い時間で区切って複数の情報を交互に送る TDM(時分割多重化)という技術がある。
初稿公開:2016年8月
最終更新:2020年2月
執筆:下島 朗