EV とは、Electric Vehicle(エレクトリック・ヴィークル)の略で電気自動車のこと。
簡単にいえば、車載バッテリーに蓄えた電気でモーターを回して走るクルマ。バッテリーは、家庭用の100Vや200Vの電源、あるいは街中に設置された電気ステーションなどで充電できる。
電気だけで走るので、走行中に排気ガスや二酸化炭素(CO2)を一切出さない。そのため、エコカーの一種とされている。ただし今のところ、電気を作る際に火力発電所などで二酸化炭素を排出するので、温室効果ガスの発生がゼロとはいえない。
現在、多くの電気自動車が時速100キロ以上出せるので高速道路も走行できる。ガソリン車に比べて振動や騒音も少ない。減速時にはモーターを逆に使って発電し、車載バッテリーに充電することも可能。また、構造がシンプルなのでデザインの自由度が高く、部品点数が少ないためベンチャー企業も参入しやすい。
しかし当初は、バッテリー容量の関係で継続走行距離が短いという問題があった。そのため、通勤や買い物、近所への荷物の配送など近距離移動に向いているとされていた。また、電気ステーションが少ないため長距離移動には不安があった。
さらに、充電に時間がかかるのも問題のひとつ。フル充電に 8時間以上かかる車種が多く、急速充電でも 30分くらい必要。そのため、ガソリンスタンドに行けば数分で満タンになるガソリン自動車と比べると利便性が低い。ただし、深夜割引の電気で充電すればガソリン車より燃費がいいといわれている。
なお、停電時や災害時などに EV に搭載されたバッテリーを非常電源として利用するといったことも可能になる。
初稿公開:2016年3月
最終更新:2019年5月
執筆:下島 朗