Eメールの E は Electronic(エレクトロニック)の略で「電子の」といった意味。そのため、日本では Eメールのことを「電子メール」ともいう。英語では、E-mail または Email と表記する。
また今は、単に「メール」ということも多い。メール(mail)は本来、紙のハガキや封書を含めて「郵便」や「郵便物」といった意味。しかし Eメールが普及して、「メール」といえば Eメールを指すのが普通になった。
Eメールは、パソコンやスマートフォン(スマホ)などに入力した文章を、コンピューターネットワーク(LAN)やインターネットを通じて、相手の機器へ送る機能。なので、「電子的な手紙」という名前がついている。
実際には、パソコンやスマホの中のメールソフトを使って読み書きと送受信を行う。インターネット時代の通信方法として広く普及している。
今は、文字サイズを変えることも画像を送ることもできる
一般的な Eメールで送受信できるのは、文字と一部の記号だけ。基本的に、文字の種類や大きさを変えることもできない。
ただし、HTMLメールという方式を使うと、文字のサイズを変えたり太字にしたり、文字や背景に色を付けたり、画像を挿入することもできる。HTMLメールを使うには、送る側も受け取る側も HTMLメールに対応したメールソフトを使う必要がある。ただし今は、ほとんど対応している。
以前は、HTMLメールに対応していないメールソフトがあったり、送受信するデータ容量が増えるので「使わない方がいい」「使わないのがマナー」といった声もあった。しかし今は、気にする人は少ない。
また、添付ファイル(アタッチメント)の機能を使うと、画像や文書ファイルなどを送ることもできる。ただし、極端に容量が大きなファイルを添付すると、途中で送受信を拒否されて届かないないことがある。
Eメールが相手に届くしくみ
今は、携帯電話やスマホの SMS(ショートメッセージ)、LINE(ライン)のようなメッセージ交換が中心の SNS、Facebook(フェイスブック)の Messenger(メッセンジャー)、あるいはチャット機能など、文字で連絡を取る方法がたくさんある。
これらの機能と Eメールの違いは、送受信の方法にある。パソコンからパソコンへ送る場合、以下のような流れになる。スマホの場合も、基本的には同じだ。
送信者のパソコン → 送信側のメールサーバー → (インターネット) → 受信者側のメールサーバー → 受信者のパソコン
メールサーバーは、Eメールを送受信する機能を持った(そういうソフトウェアが組み込まれた)コンピューター。ただし今は、他のサーバー機能と兼用していることが多い。
企業や大学などは独自にメールサーバーを持っていることが多いけど、プロバイダー(ISP)経由でインターネットを利用している個人や小規模事業者などはプロバイダーのメールサーバーを使っている。スマホの場合は、携帯電話会社のメールサーバーを経由する。
たとえば、あなたが自宅のパソコンから、ある会社の担当者に Eメールを送ると以下のような流れで相手に届く。
あなたの自宅のパソコン → あながた利用しているプロバイダーのメールサーバー → (インターネット) → 相手の会社のメールサーバー → 相手が会社で使っているパソコン
相手が返信すると、逆の流れで Eメールが返ってくる。
ただし、同じオフィス、つまり同じコンピューターネットワーク(LAN)の中で Eメールを送受信する際は以下のようにシンプルなる。
送信者のパソコン → 社内のメールサーバー → 受信者のパソコン
なお、一般的な Eメールは、送るときに SMTP というプロトコルを使い、受け取るときは POP3 や IMAP4 といったプロトコルを使う。プロトコルは「通信手順」といって、データを送受信する際の技術的な約束事。
普通の Eメールとは異なる Webメール
上記のような本来の Eメールとは別に、Webメール(ウェブメール)というサービスがある。これは、Webメールを提供する事業者のサーバー内に Eメールのデータが保存されて、それをパソコンやスマホのブラウザーソフトで見る方式。
一般の Eメールと違って、手元の機器にメールの件名や本文などが保存されない。読み書きの際は、インターネットを通じてその事業者のサーバーにアクセスする必要がある。
代表的なWebメールのサービスとして、Google(グーグル)の Gmail(ジーメール)や Yahooメール(ヤフーメール)がある。
初稿公開:1997年5月
最終更新:2020年9月
執筆:下島 朗