CPU(シーピーユー)は、Central Processing Unit(セントラル・プロセッシング・ユニット)の略で、どんなコンピューターにも必ず入っているメインの部品。実際に計算などを行う、コンピューターの頭脳。
Central Processing Unit を日本語に訳して「中央演算処理装置」ということもある。コンピュータの専門家は、単に「プロセッサ」と呼ぶこともある。
また以前は、CPU のことを MPU ということもあった。これは、Micro Processing Unit(マイクロ・プロセッシング・ユニット)の略で、厳密にいうと CPU と MPU は違う。
たとえば、かつての大型コンピューターは、複数の部品を組み合わせて大きな CPU を構成していた。一方、パソコンやスマートフォンは CPU がひとつの小さな半導体になっている。そのため、この部品を MPU と呼んで区別することがあった。
しかし今は、サーバーも含めて、ほとんどのコンピューターの CPU がひとつの部品になっている。そのため、一般的なパソコンやスマートフォンのユーザーは CPU と MPU は同じ意味だと思っていい。
パソコン用の CPU は、以前は複数の会社が製造していた。しかし今は、ほとんどインテルのコア(Core)シリーズに集約されている。セレロン(Celeron)は、コアシリーズの廉価版という位置づけ。ほかに、一部のパソコンで AMD という会社の CPU が使われている。
なお、同じ名前の CPU なら、製品名の後についているクロック周波数と呼ばれる数字が大きいほど計算が速くて高性能とされている。しかし今は、機能が多様化して製品の種類が多い。そのため、性能の比較が難しくなっている。
業務用のコンピューターとしてさまざまな用途に使われるサーバーには、パソコンより高性能な CPU が搭載されている。しかし、低価格なサーバーではパソコンと同じ CPU が使われていることもある。
スマートフォン用にも数多くの CPU が開発されていて、さまざまな性能のいろいろな CPU がある。ただしスマートフォンの場合、CPU だけでなく関連した半導体部品まで一体化した SoC(System on a Chip/システム・オン・チップ)と呼ばれる部品になっていることが多い。
初稿公開:1997年5月
最終更新:2019年6月
執筆:下島 朗