BEV は Battery Electric Vehicle(バッテリー・エレクトリック・ヴィークル)の略で、いわゆる電気自動車のこと。
日本語では「バッテリー式電動自動車」とか「バッテリー式電気自動車」ということがある。また、バスやトラック、機関車などを含めて「バッテリー式電動輸送機器」ということもある。あるいは、「ピュアEV」ということもある。
では、バッテリー式でない電気自動車や、ピュア(純粋)ではない電気自動車があるのかというと、実はある。
ハイブリッドカーの中には、エンジンで発電機を回して電気を作り、その電気でモーターを回して走るタイプがあって、これをシリーズ方式という。また、マイルドHV と呼ばれる方式だと、モーターはエンジンを支援するだけで、エンジンを止めることができない。
PHV(プラグインハイブリッドカー)は、外部の電源からバッテリーを充電して電気だけで一定の距離を走ることができる。しかし、エンジンで走ることもできる。
あるいは、燃料電池車(FCV)は、水素と酸素の化学反応で電気を作り、その電気でモーターを回して走る。エンジンは搭載していない。
これらに対して BEV というと、外部から電気を供給してバッテリーを充電し、その電気だけでモーターを回して走る車を指す。エンジンは搭載していない。
単に EV といってもいいのだけど、エンジンを併用している HV や PHV、エンジンは搭載していないけど車の中で電気を作る FCV と区別するために、あえて BEV ということがある。
なお、電動車というと、上記のようにエンジン併用の HV や、車内で電気を作っている FCV も含まれる。少しでも電気モーターを使っていれば電動車ということになる。
最終更新:2021年1月
執筆:下島 朗