3Rとは、リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)の頭文字、つまり「3つの R」という意味で、環境保全活動を推進するためのキーワードのひとつ。「スリーアール」または「さんアール」と読むことが多い。
たとえば、環境省は『3R推進キャンペーン』を実施しているし、経済産業省は『3R政策』を打ち出している。また、自治体や企業、民間団体などが集まって『3R活動推進フォーラム』という組織が作られている。
リデュースは「減らす」という意味で、ゴミを減らす活動のこと。モノを捨てないだけでなく、無駄なものを買わないことも大切だ。
あるいは、製造や販売の段階で廃棄物が少なくなるように工夫することもリデュースに含まれる。たとえば、工場で出る廃棄物を何か別の用途に使ったり、販売店が簡易包装に取り組むといった例がある。
リユースは「再利用」という意味。使えるものは繰り返し使う、あるいは中古品として流通させて廃棄物を減らすこと。
リサイクルは「再資源化」といった意味で、ゴミとして出たものを焼却したり埋め立て処分するのではなく、資源に戻して再び原材料として使うこと。そのための、資源ゴミの分別収集などもリサイクル活動の一環だ。
ただし実際には、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクルの 3種類に分けられる。それぞれ別のページで解説しているけど、簡単にいうと以下のような違いがある。
金属を溶かしてまた金属製品を作ったり、古紙から再生紙を作ることをマテリアルリサイクルという。多くの人がイメージするのは、この方法だと思う。
しかしプラスチックは、そのまま溶かして再生すると品質が下がることが多い。そのため、科学的な処理をしてガスや油のレベルまで戻してから再利用することがある。これを、ケミカルリサイクルという。
サーマルリサイクルは、プラスチックのゴミを燃やして、その熱を発電や暖房などに利用する。単に焼却するのではなく、ゴミとなったものを燃料として再利用しているので、これもリサイクルという考え方だ。
初稿公開:2016年3月
最終更新:2021年4月
執筆:下島 朗