蛍光灯型LED とは、蛍光灯を使った照明器具に代わる LED照明。あるいは、従来の蛍光灯のカタチに合わせて作られた LED照明。
蛍光灯には、輪のカタチをした丸型と、真っ直ぐな直管タイプがある。丸型の方は、器具ごと LED照明に付け替える必要がある。使用中の器具が引掛シーリングや引掛ローゼットという方式に対応したものなら、量販店などで LEDシーリングライトを買ってきて自分で交換できる。
一方、直管タイプの方は、実質的に 2つの方式がある。従来の両端に 2本のピンが出ている形状(G13口金)のものと、新たに策定された JEL801 という規格に準拠したものだ。
G13口金に対応したものは、現在の照明器具を残して、蛍光管に相当する部分だけ LED照明に付け替えることがことができる。ただし、器具の中に入っている安定器という部品を切り離す作業が必要で、この作業を行うには電気工事士の資格がいる。
なかには、安定器カットの工事が不要で付け替えるだけで使えるといっている製品もある。しかし、故障や発熱の原因になる可能性が高い。そのため必ず、安定器を切り離して使いたい。
JEL801 は、社団法人 日本電球工業会という団体が策定したもので、日本の照明器具メーカーが普及を目指している。新しい規格だけに、性能も機能性も高い。落下防止など安全面も配慮されている。
ただし、この規格に対応した LED照明を使うには、器具ごと新しいものに交換する必要がある。また、器具や LED照明の値段も高い。そのため、2016年現在、あまり普及していない。
なお、蛍光灯型LED が普及し始めたころは、既存の器具を残して上記のような直管形タイプの蛍光管に似せた製品に付け替えることが多かった。しかし今は、器具ごと交換することが多くなっている。
このほか、ダウンライトなどで使われている蛍光灯ランプという電球がある。これも、蛍光灯の一種だ。しかし口金の規格が多様なうえ、LED化してもコストメリットが少ない。そのため、こうした蛍光灯ランプを LED照明に替えるときは、器具ごと交換することが多い。
初稿公開:2016年3月
最終更新:2019年5月
執筆:下島 朗