第1世代移動通信システムとは、1980年代に提供されていた自動車電話や初期の携帯電話サービスを指す言葉。第1世代を英語で 1st Generation といって、これを略して 1G(ワンジー)ということもある。
移動通信システムは、移動しながら使える通信サービスの総称。現在のような携帯電話(スマートフォン)だけでなく、携帯電話の元になった自動車電話、一時期人気があった PHS、モバイルWiMAX(ワイマックス)などが含まれる。
携帯電話サービスの原点は、1979年12月に日本電信電話公社(現 NTT)が始めた自動車電話だった。
そのころの無線通信装置は重さが約 7kg あって、人が持ち歩くことができなかった。そのため、車のトランクに通信装置を入れて、車内に設置した受話器で通話していた。
その後、1985年にショルダーホンと呼ばれるものが登場。これは、重さが約 3kg で肩から掛けて持ち歩くことができた。
そして 1987年に、重さが約 900g で大きさが 500ml のペットボトルくらいの携帯端末ができて、ようやく携帯電話と呼べるようになってきた。
現在、携帯電話の通信サービスはすべてデジタル方式になっている。しかし、第1世代はアナログ方式で、できるのは音声通話だけだった。
それでも、電話といえば会社や家の固定電話か街角の公衆電話だった時代。自動車電話や携帯電話は、とても高額だったけど、移動しながら通話できるだけでスゴイことだった。
1990年代に入ると通信がデジタル化されて、電話機も小型化してきた。そして、この 90年代のサービスを第2世代移動通信システムという。
携帯電話に限らず、技術は坂を上るように連続的に発展していくのではなく、階段のように上がるときは一段上がり、しばらく同じ状態が続く。そして、同じ技術が使われているそれぞれの時期を世代という。
携帯電話の場合、おおむね 10年ごとに世代が進んできた。それぞれ個別に解説しているので、以下のリンクから参照してほしい。
第1世代移動通信システム (1G)
第2世代移動通信システム (2G)
第2.5世代移動通信システム (2.5G)
第3世代移動通信システム (3G)
第3.5世代移動通信システム (3.5G)
第3.9世代移動通信システム (3.9G)
第4世代移動通信システム( 4G)
第5世代移動通信システム (5G)
第6世代移動通信システム (6G)
初稿公開:2004年11月
最終更新:2020年4月
執筆:下島 朗