省エネとは、「エネルギーを省く」といった意味で、電気やガソリンなどのエネルギーまたはエネルギー源の使用量を減らすこと。そうした活動を指すこともあるし、そうした技術や製品を指すこともある。
実際のところ、現在は電気エネルギーで動く機器が多いので、省エネ活動というと電気の使用を減らすこと、省エネ製品というと電気の使用量が少ない機器を意味することが多い。
ただし、夏はより涼しい服装をして、冬はより暖かい服装をすることで冷暖房に使うエネルギーを減らすことも省エネ活動のひとつ。そのため、そうした衣類も省エネ製品の一種ということができる。断熱効果を高めて、冷暖房の効率をよくした省エネ住宅も同様だ。
省エネの歴史は昨今の環境問題より古く、1970年代から80年代のオイルショックに伴う原油の高騰から始まったとされている。石油や天然ガスを輸入に頼ってきた日本では、エネルギー源の安定供給はとても重要で、その対策として省エネ意識が高まった。
最近は、限りある資源やエネルギー源を大切に使おうという意識が広まって、地球温暖化を抑止するといった観点からも省エネが強く求められるようになっている。つまり、大元の動機が変わってきている。
そして、その根底には、人間にとって住みやすい地球環境を維持しながら、より少ないエネルギーや資源で今と同等、あるいはより快適で便利な社会を維持していきたいという環境保全の意識がある。
初稿公開:2016年4月
最終更新:2019年5月
執筆:下島 朗