発電とは、電気をつくること。といっても、電気はカタチがある物ではないので、発生させるといった方が正確かもしれない。
今は、電力会社が建設した大型の発電所だけでなく、太陽光発電や風力発電、小規模な水力発電やバイオマス発電などさまざまな方法で電気をつくることができる。さらに、電気をつくりながら走る燃料電池自動車や、手回しで発電できる防災グッズなども販売されている。
とはいえ現状では、水力発電、火力発電、原子力発電、再生可能エネルギーによる発電の 4種類が主な発電方法となっている。そして、これらのほとんどが基本的に同じ原理で発電している。
まず、タービンと呼ばれる装置を回転させる。タービンは、水、蒸気、空気などの流れを受けて回転する羽根車のような機械の総称。そして、その回転を発電機に伝えて電気を発生させる。
火力発電やバイオマス発電は燃料を燃やしてお湯を沸かし、水蒸気でタービンを回している。原子力は、ウランの核反応による熱でお湯を沸かして水蒸気でタービンを回している。水力発電は、流れ落ちる水の力でタービンを回している。
風力発電は、風車の回転をそのまま発電機に伝えている。このほか、工事現場や山小屋など電気を引きにくい場所ではディーゼルエンジンで発電機を回す方法も使われている。
発電機は、基本的には電気で回転するモーターと同じもの。モーターは磁石とコイル(グルグル巻の電線)で出来ていて、電気を送ると電磁力で軸が回転する。逆に、モーターの軸に力を加えて回転させると電気が発生する。
つまり、何らかの方法で発電機の軸を回せば電気を得ることができる。ただし大型発電所の発電機は特大なので、回転させるために大きな力が必要だし、十分な安全性を確保しないといけない。そのため、複雑で巨大な装置になっている。
なお、太陽光発電は太陽光のエネルギーを科学的に変換して直接電気を生み出している。また、燃料電池は水素と酸素を反応させて発電している。こうした発電機を回す以外の発電方法も、今後の期待が大きい。しかし発電量全体からみると、まだまだ比率が低い。
初稿公開:2016年8月
最終更新:2019年5月
執筆:下島 朗