環境負荷とは、地球環境や生態系に与えるマイナスの影響のこと。あるいは、その影響の大きさを指すこともある。
たとえば、火山の噴火や巨大隕石の落下といったことが原因で、地球の環境が大きく変わることがある。そういった意味では、こうした自然現象も環境負荷が大きいといえる。
しかし現在、「環境負荷が大きい」といった場合、人間の活動が現在の地球環境に与える影響を指すのが普通だ。地球環境の変化が、さまざまな生物の生態に与える影響も大きい。
人間社会が狩猟や農業に支えられていた時代は、人間の生活が環境に与える影響は小さかった。多少、水を汚したり煙を出したりても、自然の浄化作用が機能して環境が大きく変わることはなかった。
しかし工業化が進むと、水や大気の汚染、温室効果ガスの排出などが一気に進んで、世界各地で公害問題が起きた。つまり最近(ここ数十年あるいは数百年)の人間活動は、とても環境負荷が大きい。
地球の何十億年という歴史のなかには、今より大幅に気温が高かったり低かったり、あるいは空気中の二酸化炭素が今よりはるかに多かった時期もある。しかし、人類が繁栄したここ数万年は、安定した穏やかな環境が保たれてきた。
この環境が、人間の活動によって変わることで、自分たち人間にとって住みにくい環境に変わりつつある。そのように危惧されている。そのため、私たちの社会活動や経済活動の環境負荷を下げることが求められるようになって、そうした活動がいろいろなところで実行されている。
初稿公開:2016年3月
最終更新:2019年5月
執筆:下島 朗