演算(えんざん)とは、一般的な認識では「計算すること」だと思っていい。ただしコンピューターの世界では、もう少し広い意味で演算という言葉を使っていることが多い。
コンピューターは以前、電子計算機と呼ばれていた。つまり、電気信号を使って計算する機械といった意味。そして、コンピューターの世界では今も、計算することを演算という。
普通は、足し算、引き算、掛け算、割り算を計算ということが多い。もちろん、コンピューターでもこうした計算ができる。しかしコンピューターの中では、こうした四則計算以外にも数の大小を比較したり、数値を逆転させたり、いろいろな演算が使われている。
特に、「0」と「1」の組み合わせによって定義された論理演算というものがあって、これがコンピューターの根本的な機能(しくみ)になっている。
最近はコンピューターという言葉自体、あまり使われなくなってきた。しかし、いろいろな機能を提供したりデータを保存したりするサーバー、いわゆるパソコン、そしてスマートフォンなど、どれもコンピューターの一種で、その中でさまざまな演算が行われている。
とはいえ今は、サーバーもパソコンもスマートフォンも単なる計算機として使われることは稀で、データ通信や画像処理など多様な機能を持っている。しかし内部では、上記のようないろいろな演算の組み合わせによってあらゆる機能を実現している。
そういった意味では、今でもコンピューターは計算機=演算処理する機械ということができる。
なお、実際に演算を行うのは CPU(中央演算処理装置)と呼ばれる部品で、狭義ではこの CPU自体をコンピューターということもある。しかし現実には、記憶装置やモニターなど、いろいろな部品が一体となってコンピューターとして機能している。
最終更新:2019年6月
執筆:下島 朗