温室効果ガスとは、大気中の濃度が高くなると気温(大気の温度)を上げる性質をもった気体の総称。地球温暖化の原因と考えられている。
具体的には、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンガスなどがある。この中で最も量が多くて地球温暖化への影響が大きいとされているのが二酸化炭素(CO2)。そのため現在、温室効果ガスの削減というと、二酸化炭素の排出量を減らす取り組みを指すことが多い。
地球をとりまく大気や地表は、太陽の熱で温められている。同時に、同じ量の熱が地表から宇宙に放出されている。ただし、雲などに遮られて一定量の熱が地表や大気中に留まる。このバランスで、現在の地球環境が保たれている。
このように、地表の熱が宇宙に逃げるのを抑える性質をもった気体を温室効果ガスといって、もともと適量が空気中に存在している。しかし、大気中の温室効果ガスが増えすぎると、地表や大気中に留まる熱が増えて気温が上昇してしまう。
地球全体でみれば年間の平均気温が 1~2度上がる程度でも、それによって雨の降りやすい場所が変わって大雨や大規模な干ばつが起きたりする。また、熱帯に生息している害虫や病原菌が温帯にも生息するようになったりする。
特に二酸化炭素は、19世紀の産業革命以降、排出量が大幅に増えている。そのため、何とか二酸化炭素の排出量を減らして、気温上昇を抑えようとする取り組みが世界規模で実施されている。
初稿公開:2016年3月
最終更新:2019年5月
執筆:下島 朗