大手携帯電話会社(NTTドコモ、au、ソフトバンクモバイル)より割安な、スマートフォンの通信サービス、あるいはそうしたサービスに対応したスマートフォン本体が一般に「格安スマホ」といわれている。
つまり、格安スマホといった場合、値段の安い通信サービスを指すこともあるし、値段が安いスマートフォン自体を指すこともある。
格安スマホを提供しているのは MVNO(仮想移動体通信事業者)と呼ばれる通信事業者で、MVNO は自社で回線や通信設備を持っていない。大手携帯電話会社から、設備の一部を借りて携帯電話の通信サービスを行っている。
そのため、MVNO が提供するスマートフォンの通信サービスは大手より安くできる。これが、いわゆる格安スマホということになる。
しかし実際は、MVNO が提供しているのはスマートフォンで通信するために必要な SIMカードだけ、というのが一般的。そのため、より正確には格安SIM と呼ばれることが多い。
ただし、MVNO が格安SIM とスマートフォン本体をセットで提供しているケースも少なくない。この場合は、格安スマホともいえるだろう。
また、条件が合えば、大手携帯電話会社の端末として使っていたスマートフォンや、自分で入手した中古スマホに MVNO の格安SIM を入れて、格安スマホとして使うこともできる。
とはいえ、この場合、その端末が他社の SIMカードを認識できるように SIMロック解除しておく必要がある。ただし、条件が合えば SIMロック解除なしで格安SIM を使えるケースもある。
格安スマホは、料金が安いぶん不安を感じる人もいるだろう。しかし、回線や設備は大手の設備の一部を借りているため、通信トラブルの心配は少ない。
ただし、利用料を安くするために制約条件がつくことがある。そのため、自分の利用法や必要とする条件に合ったサービスを選ぶことが大切だ。
なお、UQコミュニケーションズは au の、ワイモバイル(Y!mobile)はソフトバンクモバイルの別ブランドで、弟分のようなもの。また、2020年3月に本サービスを開始した楽天モバイルは、自社で設備を持つキャリアだけど低価格に挑戦している。これらを格安スマホの仲間に入れるかどうかは微妙なところ。
初稿公開:2015年10月
最終更新:2020年6月
執筆:下島 朗