大手携帯電話会社(NTTドコモ、au、ソフトバンクモバイル)より割安な、スマートフォンの通信サービスを一般に格安スマホという。
しかし、こうしたサービスを運営している事業者は、実際には割安な通信サービスに対応した SIMカード(シムカード)を提供している。そのため、より正確には格安SIM といって、これを「格安シム」と読む。
格安SIM の通信サービスを提供しているのは MVNO(仮想移動体通信事業者)と呼ばれる通信事業者で、MVNO は自社で回線や通信設備を持っていない。大手携帯電話会社から、設備の一部を借りて携帯電話の通信サービスを行ってている。
そのため、MVNO が提供するスマートフォンの通信サービスは大手より安く使うことができる。これが、いわゆる格安SIM と呼ばれるもの。
SIMカードは、携帯電話機やスマートフォンの中に入っている小さな ICカードで、その中に電話番号やユーザーを特定する情報などが記録されている。そして、基本的には SIMカードを別のスマートフォンに挿入すると、元のスマートフォンと同じように使うことができる。
しかし、不正転売などを防ぐために、新しい端末を買ってから一定期間は他社の SIMカードを認識できないようになっている。これを、SIMロックという。また、SIMカードにはミニやナノといった種類があって、サイズが違うと挿入できない。
MVNO が格安SIM とスマートフォンをセットで販売している場合は、比較的簡単に格安スマホを利用できる。
また条件が合えば、大手携帯電話会社の端末として使っていたスマートフォンや、自分で入手した中古スマホに MVNO が提供している格安SIM を挿入して格安スマホとして使うことも可能だ。
とはいえ普通は、その端末が他社の SIMカードを認識できるように SIMロック解除しておく必要がある。ただし、条件が合えば SIMロック解除なしで格安SIM を使えるケースもある。
また、MVNO が提供する格安SIM のサービスは、料金が安い分、月々利用できる通信量など、さまざまな点で制約されていることがある。格安SIM を使うときは、自分の利用法や必要とする条件に合ったサービスを選ぶことが大切だ。
初稿公開:2015年10月
最終更新:2020年6月
執筆:下島 朗