仮想移動体通信事業者とは、実質的に格安スマホや格安SIM の事業者のことだと思っていい。
仮想移動体通信事業者は、一般に MVNO(エムブイエヌオー)と呼ばれることが多い。MVNO は、Mobile Virtual Network Operator(モバイル・バーチャル・ネットワーク・オペレーター)の略。
携帯電話など、電波を使った通信サービスを移動体通信という。そして、移動体通信サービスを提供している事業者のうち、自社で回線や設備を持っている事業者(実質的に大手携帯電話会社)を、MNO(Mobile Network Operator=移動体通信事業者)という。
そして、移動体通信事業者(MNO)から回線や設備の一部を借りて通信サービスを提供している事業者を仮想移動体通信事業者(MVNO)という。
新たに移動体通信サービスを始めるには、大がかりな設備が必要になる。それ以前に、免許を取得したり電波の周波数を割り当ててもらったり、手続きも大変だ。しかも、免許の数は制限されている。
一方、すでに移動体通信の事業を行っている会社(MNO)から設備を借りれば、独自のサービスを工夫して比較的簡単に新しい通信事業を始めることができる。
単に大手より安くするだけでなく、企業向けに付加価値の高い携帯電話サービスを MVNO方式で提供するといったことも考えられる。
なお、電話やデータ通信、インターネット接続など有線の通信サービスを提供する事業も、自社で回線や設備を持っている第一種事業者と、その一部を借りて事業を行っている第二種事業者に分けられている。
初稿公開:2003年4月
最終更新:2020年4月
執筆:下島 朗