京都議定書とは、1997年12月に第3回気候変動枠組条約締約国会議(COP3)で採択された「気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書」(Kyoto Protocol to the United Nations Framework Convention on Climate Change)の略称。
京都で開催された会議で採択されたので、京都議定書と呼ばれている。その後、議定書の発効に必要な国数が参加を表明して、この議定書が効力を持ったのは 2005年2月だった。
会議名も条約名も長くて分かりにくい。まず COP は、地球全体の気候変動を抑えるために温室効果ガスの排出を減らそうという国際会議。その第3回で決められた条約が京都議定書だ。
さらに簡単にいえば、大気中の温室効果ガスが増えて地球の平均気温が上がり続けると困る。そのため、国ごとに目標を定めて温室効果ガスの発生を減らす約束をした。そして、その内容を条約として記録したのが京都議定書と呼ばれる文書。
具体的には、1990年を基準にして世界中で約5%、温室効果ガスの排出を減らすことになった。対象となる温室効果ガスは、二酸化炭素(CO2)、メタン 、亜酸化窒素 、ハイドロフルオロカーボン類 、パーフルオロカーボン類 、六フッ化硫黄の 6種類。削減する期間は 2008年から 2012年。
実際の削減率は国によって異なり、日本は -6%、アメリカは -7%、ヨーロッパ15ヵ国は -8%とされた。一方、1990年より増えてもいいとされた国もある。また、途上国は削減目標が定められなかった。これは、これまで大量に排出してきた先進国から削減するという配慮のため。
日本は、排出量の国際取引などの手法を使って目標を達成。しかし、アメリカは 2001年に、この条約を離脱している。
こうしたことから京都議定書は効果が薄かったという意見もある。しかし、地球上で初の数値目標を定めた気候変動に関する国際条約ということで評価されている。
なお、2020年以降の取り組みについては、COP21 で採択されたパリ協定で規定されている。
初稿公開:2017年7月
最終更新:2019年5月
執筆:下島 朗