リサイクル(recycle)は、使わなくなった製品(いわゆる不要品やゴミ)を再生して利用すること。
気をつけたいのは、「再利用」ではなく「再生利用」となっていること。たとえば、中古車や中古家電、家具や古着などはカタチも用途も変えることなく別の人に使われる。これは再利用で、リユース(reuse)という。
一方、鉄やアルミ、古紙などは回収されて原材料に戻し、再び同類の製品になる。これが、リサイクル。
ただし、紙の場合は再生紙と呼ばれて新品の紙とは区別されている。また、プラスチックは再生すると品質が下がることが多いので、ベンチや建築資材など別の製品にリサイクルすることが多い。
しかし、実はリサイクルには、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクルの 3種類がある。
上記のように、回収した不用品や資源ゴミを「材料」にして、同じような製品にすることをマテリアルリサイクルという。多くの人がイメージするリサイクルは、このマテリアルリサイクルだと思う。
しかし、前述のようにプラスチックをリサイクルすると元の製品より品質が下がることが多い。そのため、そのまま溶かして使うのではなく、科学的に処理して油やガスのレベルまで戻してから新たな製品の材料にする方法がある。これは、ケミカルリサイクルと呼ばれている。
ただし、ケミカルリサイクルは大規模な設備が必要で手間がかかる。そのため、まだあまり普及していない。
サーマルリサイクルは、プラスチックゴミを燃料として燃やす方法。その熱は、発電やゴミ処理施設周辺の暖房などに使われている。サーマルリサイクルのことを、「熱回収」ということもある。
日本では、サーマルリサイクルの比率が高い。しかし、欧米では「リサイクル」といえばマテリアルリサイクルやケミカルリサイクルで、サーマルリサイクルはリサイクルとされていない。
マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクルは、それぞれ別のページで解説しているので、必要に応じて参照してほしい。
最終更新:2021年4月
執筆:下島 朗