マックOS(macOS)は、アップルのパソコン・マック(Mac)に組み込まれている基本ソフト(OS)。これまで何度も名称の変更があったものの、2016年9月以降はマックOS に戻っている。
ウィンドウズ・パソコンは、パソコン本体を作っている会社と、基本ソフト(ウィンドウズ)を作っている会社が別々。マイクロソフト製の サーフェス(Surface)のような例外はあるものの、基本的にはマイクロソフトがパソコンメーカーにウィンドウズ(Windows)を提供して、各メーカーが独自にパソコンを製造している。
しかしマックは、パソコン本体も基本ソフト(マックOS)もアップルが作っている。かつて、1990年代の後半に、一時的にマックOS が他社に提供された時期もあったけど、わずか数年で終わった。
昔も今も、一般に「パソコン」といえばウィンドウズ・パソコンを指すのが普通だ。実際、ウィンドウズはパソコン用OS の市場で 9割以上のシェアを維持してきた。逆に、マックは常に 1割以下という状況。
しかしマックは、デザイン業界や印刷といった分野、あるいは研究者などの間で根強い人気があって、市場でも存在感がある。
そして、こうした熱心なマックユーザーの間で「マックは使いやすい」といわれてきたのは、マックOS に負うところが大きい。実際、アイコンとマウスによる操作を広めたのはマック(マックOS)だった。ウィンドウズが出たときは「マックのマネをした」といわれ、一時は訴訟までやっていた。
そんなマックOS の開発が始まったのは 1980年代。初期のマックOS は、単にシステム(System)と呼ばれていた。このシステムは、バージョン1 から 7 まで続き、1997年にリリースされたバージョン8 から マックOS 8(マックオーエス・エイト))と呼ばれるようになった。また、システムと呼ばれていた時代は、日本語版を漢字Talk(漢字トーク)といっていた。
2001年3月、マックOS はユニックス(UNIX)をベースに根本的に作り直された新しい基本ソフトに変わった。そして、このとき名称を Mac OS X(マックオーエス・テン)に変更。そして、愛称のような感じで動物の名前が付け加えられるようになった。
さらに、2012年からは単に OS X(オーエステン)と呼ばれるようになり、そのままバージョンアップが繰り返された。ただし正式名称は OS X 10.8 といった感じで数字が付き、動物名(最近は地名)の追加も継続された。
そして、2016年9月にリリースされたバージョンから再び名称が変わり、OS X ではなくマックOS(macOS)になった。かつての Mac OS と、読み方は同じでも表記が異なる
なお、アップルはマックOS とは別に、iPhone(アイフォーン)などのスマートフォン用として iOS(アイオーエス)を、iPad用として iPadOS(アイパッドオーエス)を開発している。それ以外にも、Apple Watch(アップル・ウォッチ)用などの基本ソフトがある。
初稿公開:1997年5月
最終更新:2019年10月
執筆:下島 朗