マック（Mac）とは、アップル製のパソコンのこと。今は iPhone（アイフォーン）や Apple Music（アップル・ミュージック）、iCloud（アイクラウド）などで知られるアップル社が作ってきたパソコンをマックという。
実際には、ノート型なら MacBook Air（マックブック・エアー）や MacBook Pro（マックブック・プロ）、デスクトップ型なら iMac（アイマック）、Mac Pro（マック・プロ）、Mac mini （マック・ミニ）など、製品ごとに個別の名前がある。しかし、これらを総称してマックと呼ばれている。
かつて、アップルのパソコンはマッキントッシュ（Macintosh）という名称だった。最初にこの名前が使われたのは、1984年に発売された Macintosh 128K で、その前には Apple II（アップル・ツー）や Lisa（リサ）などの製品があった。
その後、アップルのパソコンは種類が増えて、製品名も多様化していった。それでも、多くの機種に Macintosh という名称が含まれていた。
しかし、1990年代の終わりころから Macintosh に代わって Mac という名称が使われはじめた。そして、製品が更新されるたびに Mac が増えて、今は Mac が正式な名称になっている。
ただし、Macintosh が正式名称だったころから、略称や愛称として「マック」と呼ばれることが多かった。
マックの特徴は、パソコン本体も、その中で使われる基本ソフト（OS）もアップルが作っていること。ウィンドウズ・パソコンは、マイクロソフトが基本ソフトのウィンドウズ（Windows）を開発し、世界中のパソコンメーカーがウィンドウズを組み込んだパソコンを作っている。これとは対照的だ。
市場シェアでみると、マックはウィンドウズ・パソコンよりはるかに少ない。世界中で使われているパソコンの 9割以上がウィンドウズ・パソコンとされるのに対して、マックは常に数パーセントと言われてきた。しかし、ウィンドウズ・パソコンに対抗する数少ない機種として存在感は大きい。
実際、マックには熱狂的なファンが多い。特に、出版や広告の制作、写真やデザインといった世界では利用率が高い。また、研究開発や医療系の分野にも根強いユーザーがいる。
マック用の基本ソフトは、かつて Mac OS（マックオーエス）と呼ばれていた。その後、Mac OS X（マックオーエス・テン）に変わり、さらに OS X（オーエス・テン）になった。そして今は、macOS（マックオーエス）という。綴りは変わったものの、読み方は元に戻った。
かつて「マックは使いやすい」と言われることが多かった。それは、これらの基本ソフトの操作性の良さによるところが大きい。
マックとウィンドウズ・パソコンでは、中に入っている基本ソフトが違うので、基本的にはマックでウィンドウズ用のアプリを使うことはできない。マックでは、Mac版のアプリを使う。
ただし現在のマックは、自分でウィンドウズを組み込んで、起動時に macOS を使うかウィンドウズを使うか選ぶことができる。そして、ウィンドウズを起動したときはウィンドウズ用のアプリを使う。しかし、この状態では Mac版のアプリが使えなくなる。
初稿公開：1997年5月
最終更新：2019年12月
執筆：下島 朗
