マイモは通常、アルファベットで MIMO と表記する。
これは、Multiple Input Multiple Output(マルチプル・インプット・マルチプル・アウトプット)の略で、携帯電話のデータ通信や無線LAN(Wi-Fi)などの無線通信を高速化する技術のひとつ。
これらの無線通信は、電波を発信する側にも受信する側にもアンテナがあって、その間で 1対1 で電波を送受信するのが基本だった。しかし、この方式だと通信速度がアタマ打ちになりやすい。また、通信が不安定になると速度が下がったり切れやすくなったりする。
MIMO の場合、発信側にも受信側にも複数のアンテナがあって、それぞれのアンテナ間で同時に通信を行う。その結果、通信速度が上がり、通信が安定して切れにくくなる。さらに、無線LAN では通信距離を伸ばす効果もある。
たとえていうなら、従来は片側 1車線だった道路を片側 2車線や 4車線にする感じ。車線が増えた分、同時に走れる車の数が増える。また、工事で一部の車線が規制されても道路自体を通行止めにしなくて済む。
MIMO は当初、無線LAN を高速化する技術として普及した。今は、携帯電話のデータ通信サービス(LTE)や WiMAX(ワイマックス)でも使われている。
また、アンテナの数、というより同時に通信できる経路の数も、2本、4本、8本と増えて、4本の場合は 4×4 MIMO(フォーバイフォー・マイモ)、8本の場合は 8×8 MIMO(エイトバイエイト・マイモ)と呼ばれる。さらに、100本以上のアンテナを使うマッシブMIMO という方式もある。
なお MIMO では、無線LAN ならアクセスポイント(親機)と子機(パソコンやスマホなどの端末)の間で、携帯電話なら街中に設置された基地局と端末(電話機)の間で、それぞれ上り下りの通信ができる。つまり、どちらの機器も発信側にも受信側にもなる。
初稿公開:2005年7月
最終更新:2020年2月
執筆:下島 朗