業務用のコンピューター(サーバー)やストレージ(記憶装置)、通信設備などを企業に貸すこと。あるいは、こうした機器のメンテナンスまで含めたサービスをホスティングという。
財務会計や受発注管理といった基幹システムでも、Webサイトや電子メールなどの情報系システムでも、その運用にはサーバーなどの業務用コンピューター、ストレージと呼ばれる記憶装置、インターネットなどの通信回線と接続してデータを送受信するための機器が必要だ。
従来、こうした機器は各企業の中や、その企業が管理する施設に置かれていた。こうした方式を、オンプレミスという。
一方、今は大手 IT企業が用意したサーバーやストレージを借りて、インターネットなどの通信回線を通じて情報システムを利用する方式が増えている。これを、一般にクラウド・コンピューティングという。
ただし、一般にクラウドというと、あらかじめ用意された業務用のアプリケーションソフトを使うとか、ストレージにデータを保存するといった使い方が多い。
一方、ホスティングというと企業が必要とする機器やソフトウェアをセットアップして、まとめて貸す感じ。すぐに使える状態のシステムを IT企業の管理下に置いて、運営やメンテナンスまで代行する。
実際には、データセンターと呼ばれる強固な施設の中に設置された膨大なサーバーやストレージの一部を必要に応じて切り分けて使うことが多い。あるいは、利用する企業の希望に応じてデータセンターの中に独立したサーバーが用意されることもある。
ホスティングの中でも、主に個人や小規模事業向けにサーバーを貸すサービスをレンタルサーバーという。しかし、ホスティングとレンタルサーバーは実質的に同じともいわれている。
一方、企業が所有する業務用コンピューターや通信設備をデータセンターなどで預かって IT企業が管理するサービスもある。これは、ハウジングと呼ばれている。
初稿公開:1999年1月
最終更新:2021年2月
執筆:下島 朗