プラットフォーマー(platformer)は本来、コンピューターシステムやインターネットを使ってビジネスをしたい、何かサービスを提供したいという会社や個人に対して、そのための「プラットフォーム(基盤)を提供している IT企業」を指す言葉。
たとえば、かつて「パソコンを使う」といえば、実質的にウィンドウズの上でウィンドウズ版のアプリ(アプリケーションソフト)を動かして作業することだった。この場合、ウィンドウズがプラットフォームなので、それを提供しているマイクロソフトがプラットフォーマーになる。
スマートフォンの時代になると、アンドロイドOS を提供しているグーグルや、iOS を提供しているアップルがプラットフォーマーになった。スマホのアプリを作ったり、スマホを使ったサービスを提供しようと思ったら、この 2社の意向に沿ったかたちでないと実現は難しい。
このほか、個人や企業が会員になって文章や写真などを投稿する SNS も、情報や交流のプラットフォームといえる。そのため、こうしたサービスを提供している大手SNS企業もプラットフォーマーとされる。
特に検索サービスや大手SNS は、利用者に合わせた広告を提供する場として重要なプラットフォームになっている。たとえば、グーグルの検索連動型広告のほか、フェイスブックやユーチューブなどが代表的。
また、ネット通販サイトを運営している会社も、通販ビジネスのプラットフォームを提供しているのでプラットフォーマーといわれる。映像や音楽の配信を行っている会社や、ゲーム機を提供している会社をプラットフォーマーにを含めることもある。
以上が、一般的な意味のプラットフォーマーに説明になる。
一方、2020年現在、複数のプラットフォームを保有し、ネットビジネスに大きな影響力を持つ巨大IT企業が注目されている。そして、こうした会社のことを特にプラットフォーマーと呼ぶことも多い。
その代表が、グーグル(Google)、アップル(Apple)、フェイスブック(Facebook)、アマゾン(Amazon)で、この 4社の頭文字をとって GAFA(ガーファ)という。
また、アップルの替わりに動画配信サービスのネットフリックス(Netflix)を入れて FANG(ファング)ということもある。あるいは、中国の IT大手3社、バイドゥ(Baidu)、アリババ(Alibaba)、テンセント(Tencent)の頭文字を取って BAT(バット)ということもある。
とはいえ、なぜこうした巨大プラットフォーマーが脅威といわれるのか実感しにくい。そのため、身近に感じられる物語をつくってブログ記事に載せているので、よかったら一読してみてほしい。
【ブログ】GAFAの何が、そんなにスゴイのだろう?
初稿公開:2019年3月
最終更新:2020年3月
執筆:下島 朗