フリーメール(free mail)は、無料で使える電子メール(E-mail)。この場合のフリー(free)は、「自由な」という意味ではなく「無料の」という意味。そのため、無料メールと呼ばれることもある。
そして、多くのフリーメールが、Webメール(ウェブメール)という方式でサービスを提供している。そのため、フリーメールと Webメールが混同されていることがある。
しかし、普通の電子メールのように、電子メールソフトを使って読み書きできて、送受信の記録を自分のパソコンに残せるフリーメールもある。あるいは、指定したメールアドレスに転送するだけのフリーメールもある。そのため、必ずしもフリーメール= Webメールではない。
代表的なフリーメールとして、Google(グーグル)の Gmail(ジーメール)や Yahoo!メール(ヤフーメール)がある。
今は、複数のメールアドレスを持っている人が多い。会社や学校から支給されたアドレス、個人で契約しているプロバイダーのアドレス、そして携帯電話やスマホのアドレスといったものがある。
しかし、インターネットサービスの多様化によって、さらにメールアドレスが欲しくなることがある。
上記の 3種類のアドレスは、大事な連絡が来たり、リアルの友人・知人との連絡に使うことが多い。そのため、不特定多数の人には知られなくない。大量の広告メールや迷惑メールが届くようになると面倒だ。
そのため、SNS やメルマガに登録したり、ネット通販のサイトに登録するといったとき、別のアドレスを使う人が多い。また、何かの事情で短期間だけ使いたいこともある。
こうしたとき、フリーメールが役に立つ。無料で手軽に作れるし、不要になったら解約すればいい。大事な連絡は、もともと持っている会社や個人、スマホのアドレスに届くので問題ない。
ただし、フリーメールを申し込むときは、会社やプロバイダーから支給された普通のメールアドレスの登録が必要になる。氏名は、たいていニックネームで大丈夫。
通常、登録したメールアドレスがユーザーID に相当する。アドレス上の名前(@の左側)は自由に選べるけど、登録済みの名前は使えない。大手のサービスだと、すぐに思いつくようなユーザー名はほぼ使われている。複数の要素を組み合わせたり、略語にしたり、数字を組み合わせたりして工夫しよう。
その他のメリットとして、自分の状況が変わっても同じメールアドレスを使い続けることができる。たとえば転職した、学校を卒業した、といった理由で、それまでのメールアドレスが使えなくなった場合。あるいは、インターネットプロバイダーや携帯電話会社を変えた場合。
いずれも、メールアドレスが変わってしまう。友人・知人への連絡も面倒だし、メルマガや通販サイト他さまざまなネットサービスの登録メールアドレスも変更しないといけない。しかし、フリーメールなら同じアドレスを使い続けることができる。
一方、フリーメールの注意点としては、一定期間(通常は数ヶ月から半年)使わないと無効になるサービスが多い。残したいアドレスは、あまり使っていなくてもときどきアクセスして維持しよう。
さて、なぜこうしたサービスがあって、しかも無料なのかというと、おおむね次のような理由が考えられる。
まず、Google や Yahoo! などの大手IT 企業は多様なインターネットサービスを提供している。その一部として、無料のメールサービスが提供されている。メールサービスは無料でも、さまざまなサービスを利用してもらうことで、どこかで利用料を徴収したり、広告収入で補ったりできる。
マイクロソフトやアップルも無料のメールのサービスがあるけど、これは主に自社製品やサービスのユーザー向け。特にアップルの iCloudメールは、フリーメールではないといわれることが多い。
また、以前は広告収入をあてにしたフリーメールのサービスも多かった。これは、画面のあちこちに広告が出て、あまり使い勝手がいい感じではなかった。そのため今は、こうした方式は減っている。
初稿公開:2000年6月
最終更新:2020年10月
執筆:下島 朗