ピーシー(PC)とは、Personal Computer(パーソナル・コンピューター)の略で、いわゆるパソコンのこと。
日本では、略語を作るとき、カタカナ 3~4文字にすることが多い。一方、英語では頭文字をとることが多い。というわけで、日本では「パーソナル・コンピューター」を略して「パソコン」といって、英語では「Personal Computer」を略して「PC」という。
ただし日本でも、技術者などを中心に、パソコンのことを「PC(ピーシー)」という人が少なからずいる。
いずれにしても PC は、「個人のコンピュータ」といった意味。これに対して、かつての大型コンピューターや現在のサーバーは複数の人が共有しているので個人用のコンピューターにはあたらない。
ここから少し昔話になるけど、日本にはかつて NEC の PC-98シリーズという人気パソコンがあった。利用者が多く、国民機とまでいわれた。そのため「PC」というと、この PC-98シリーズを指すこともあった。
一方、アメリカで PC というと、いわゆる IBM互換機を指すのが普通だった。現在のウィンドウズパソコンの原型は、1981年に IBM が発売した IBM-PC とされている。そして、この IBM-PC と互換性があるパソコンを IBM互換機といって、一般に PC/ATコンパチブルと呼ばれていた。
今は、単に「PC」といったら普通はウィンドウズパソコンのことだと思っていい。ただし、もともとウィンドウズパソコンだったものにリナックス(Linux)など別の基本ソフト(OS)を入れていることもある。
一方、アップル製のマック(Mac)を PC と呼ぶことは少ない。マックもパーソナル・コンピューターではあるものの、マックはマックであってウィンドウズパソコンとは違うといったニュアンスがある。ところが、報道メディアでは、あえて「アップルのMacパソコン」などとしているケースがあって、これはちょっと違和感がある。
初稿公開:1997年7月
最終更新:2019年7月
執筆:下島 朗