ビット/秒とは、データ通信の世界で、1秒間にどれだけのデータを送ったり受け取ったりできるかを表す単位。これを通信速度という。インターネットの Webサイトの表示も、SNS の投稿も、電子メールの送受信も、スマホの動画やゲームも、この数字が大きいほど速い。
ビット/秒を本来の英語表記にすると、bits per second(ビット・パー・セカンド)。普通は、これを略して bps(ビーピーエス)という。なお、ビット/秒のことをビット毎秒ということもある。
ビット(bit)は、コンピュータが扱うデータの最も基本的な単位。つまりビット/秒(bps)とは、「1秒間に、コンピュータのデータを何ビット送れますよ」という意味だ。
個人でもインターネットを利用できるようになった 1990年代の半ば、一般家庭からインターネットに接続する際は、電話回線(アナログ回線)とモデムという機器を使っていた。当時の最高速度は、56,000bps で、これを 56kbps と表記していた。k は 1,000 を表すキロで、kg や km の k と同じ。
その前にパソコン通信の時代があって、そのころは通信速度が 300bps とか 2400bps というモデムも使われていた。
今は、光ファイバーが普及して、一般家庭でも最大速度 1~2Gbps という高速回線を利用できる。G は「ギガ」の略で、10億という意味。ただし実測では、最大 100~300Mbps くらいといわれる。M は「メガ」の略で、100万という意味。それでも、インターネット黎明期から見ると超高速通信が可能になっている。
一方、携帯電話(スマートフォン)によるモバイル通信の世界でも、5G では最大 20Gbps の通信速度が可能になる。これは光回線の 10倍で、有線より無線通信の方が高速という時代を迎えている。
初稿公開:1997年5月
最終更新:2019年6月
執筆:下島 朗