ストレージ(storage)は本来、「倉庫」といった意味の英単語。IT の分野では、ソフトウェアやデータを保存する大容量の記憶装置をストレージという。「情報を保管する倉庫」といったイメージで、実質的に HDD(ハードディスク)や SSD ということになる。
パソコンに内蔵されている HDD や SSD もストレージと言うことがある。しかし普通は、業務用コンピューターのデータを保存する大型の記憶装置をストレージと呼ぶことが多い。
パソコン用の内蔵HDD は、見たことある人が多いと思う。密閉された金属製の箱になっていて、その中に金属製の固い円盤(ハードディスク)が入っている。
今では、数TB(テラバイト)の HDD が普及しているので、これらをストレージと呼んでも差支えないと思う。しかし一般的には、今も HDD と呼ぶことの方が多い。
次に、LAN(コンピューターネットワーク)に接続して使う NAS(ナス)と呼ばれる装置がある。これは、Network Attached Storage(ネットワーク・アタッチド・ストレージ)の略なので、ストレージの一種といっていいだろう。
とはいえ、一般にストレージと言われて思い浮かべるのは、さらに大きな業務用の装置だ。
業務用ストレージの場合、専用のラックにたくさんの HDD または SSD が整然と収められている。そして、アクセスランプがチカチカしていて、裏面にはたくさんのケーブルが接続されている。
いわゆる、コンピュータールームやサーバールーム、あるいはデータセンターと呼ばれる施設に、上記のような装置が大量に並べられた写真や映像を見たことがあるかと思う。
こうした業務用ストレージでは、大容量の HDD または SSD を分割して使ったり、逆に複数の HDD や SSD を組み合わせて実質的に 1つの大きな記憶装置として使うこともできる。あるいは、複数の HDD や SSD を組み合わせてデータを 2重保存したり、読み書きを速くするといったことも行われている。
企業などで、クラウド型のストレージサービスを利用している場合、地球上のどこかにある、こうした設備の一部を使っている。個人でも、マイクロソフトの OneDrive や Googleドライブなどを使っている人は、こうした巨大ストレージの一部に自分のデータを保存していることになる。
初稿公開:1998年11月
最終更新:2021年2月
執筆:下島 朗