IT の分野で「シム」というと、おおむね以下の 3種類の意味がある。
1. 携帯電話機やスマートフォンに入れる SIMカード
現在、会話で「シム」という言葉が出てきたら、ほとんどの場合、この意味だと思っていい。
Subscriber Identity Module(サブスクライバー・アイデンティティ・モジュール)の略で、電話番号やユーザーを特定するための ID番号などが記録されている小さな ICカード。
この SIMカードを携帯電話機やスマートフォンに入れると、通話や通信が可能になる。詳しくは、以下ののページを見てほしい。
2. かつて使われていたパソコン用のメモリー部品
Single In-line Memory Module(シングル・インライン・メモリー・モジュール)を略して、SIMM(シム)という。
パソコンの性能を上げるために、メインメモリー(RAM)の容量を増やすことがある。具体的には、パソコン内部にメモリーの部品を追加したり容量の大きいものに交換する。
その際、以前は SIMM という規格に沿った部品をパソコン内のメモリースロットに装着していた。しかし今は、より新しい DIMM(ディム)という部品を使うようになっている。
3. シミュレーションまたはシミュレーターの略
主にゲームやソフトウェアの分野で、シミュレーション(simulation)やシミュレーター(simulator)を略して「シム」ということがある。
説明するまでもないとは思うけど、シミュレーションとは実際に試すことが難しいことを模擬的に実行すること。以前は模型をつかったり計算で数値を出したりすることが多かったけど、今はほとんどコンピューターで行うことができる。
そして、シミュレーションを行うための装置やソフトウェアをシミュレーターという。
実際の製品としては、パソコンの中で架空の街をつくる「シムシティ」というゲームソフトがあった。
最終更新:2020年6月
執筆:下島 朗