サーバー(Server)とは、インターネットや LAN(ローカルエリア・ネットワーク)などのコンピューターネットワークで、情報を蓄積したり、提供したり、中継したり、ネットワークを管理したりするコンピューター。
たとえば、ウェブサイトのデータを保存しておくサーバーをウェブサーバーという。そして、インターネットを通じて「このページが見たい」というリクエストが来ると、そのページの情報を送り返す。また、電子メールの送受信を中継したり一時保管するサーバーをメールサーバーという。
このほか、インターネット上には、インターネットのしくみを維持したり、安全性や利便性を高めるためのサーバーがたくさん置かれている。
LAN の場合は、みんなで共有する情報(データ)や機能をサーバーに保存しておく。そして必要な人が必要な情報を手元のパソコンに呼び出して使う。このとき、手元のパソコンをクライアントという。
クライアントは「要求する人」という意味で、サーバーは「奉仕する人」という意味。つまり、クライアントから「この情報がほしい」といった連絡が来ると「はいはい、どうぞ」と提供するのがサーバーの主な仕事。
上記のほかにも、ネットワーク自体を管理したり、ネットワークの安全を守ったり、サーバーにはいろいろな役割や種類がある。また、こうした機能を提供するために、サーバー用のコンピューターにはサーバー用のソフトウェアを組み込む。そして、このサーバー用ソフトや提供される機能を「○○サーバー」と呼ぶこともある。
ネットワークの規模が小さければ、1台のコンピューターで複数のサーバー機能をまかなうこともできる。規模が大きくなると、それに応じてサーバーを増やすのが一般的だ。そして以前は、こうしたサーバー用のコンピューターが社内に置かれていることが多かった。
しかし今は、IT企業が運営するデータセンターに大規模なサーバーが用意されていて、その一部を借りて使うことが多い。これを、クラウド・コンピューティングという。この場合、サーバーの中に仮想的なサーバーを作ったり、必要に応じてサーバーの容量を増やしたり、柔軟で複雑な運用ができるようになっている。
初稿公開:1997年5月
最終更新:2019年7月
執筆:下島 朗