サブスクリプションは、毎月、あるいは毎年、一定の金額を払って製品やサービスを使う契約方式。あるいは、そのような利用方法。「サブスク」と略すことも多い。
サブスクリプション(subscription)には本来、「予約購読」や「予約金」といった意味がある。従来は、先に 1年分の購読料を払うと、毎月、雑誌が届くような契約方式を指す言葉だった。
こうした方式が、コンピューターのソフトウェアなどに転用されるようになって広まり、さらに今は、より幅広いサービスで「サブスクリプション」や「サブスク」という言葉が使われるようになった。
従来、ソフトウェアを使うときは使用権を買うのが一般的だった。この場合、導入時に代金を払うと、そのソフトを半永久的に使うことができる。パージョンアップやメンテナンスの費用が発生することはあるものの、普通は初期費用が最も大きくなる。
一方、サブスクリプション方式だと 1ヶ月いくら、あるいは 1年間いくらといった契約なので、ソフトウェアを借りる(レンタルする)感覚になる。そして、そのソフトが不要になったら契約を解除すればいい。
こうした利用法は、企業向けのサービスから始まった。しかし今は、個人向けのサービスでもサブスクリプション方式が広まっている。
たとえば、マイクロソフトのオフィスソフトのサブスクリプション契約には企業向け(Office 365 Business)と個人向け(Office 365 Solo)がある。また、インターネット上の記憶装置に自分のデータを保存できるオンライン・ストレージも、さまざまな個人向けサービスが提供されている。
音楽や動画の配信サービスも、月額一定の料金で何曲でも聞ける、あるいは何本でも視られるサービスが増えていて、これもサブスクリプション方式と呼ばれている。
さらに、ハードウェアのレンタルサービス等でもサブスクリプション方式が登場している。毎月一定の金額で車に乗れたり、家電を使えたり、ランチ食べ放題のサービスなどもある。そして、これらも「サブスク」と呼ぶことが一般化している。
一方、サブスクリプション方式にはデメリットもある。まず、利用期間が長くなると買い取りより高くつくことが多い。サービス提供者が倒産や事業撤退すると、そのサービスを利用できなくなる可能性が高い。また、料金の値上げなどコスト変動のリスクもある。
初稿公開:2008年6月
最終更新:2020年4月
執筆:下島 朗