IT の分野で「サイト」というと、Webサイト(ウェブサイト)を指すことが多い。インターネット上で公開されている情報ページを、Webページ(ウェブページ)といって、複数の Webページが集まったものを Webサイトという。
たとえば、今見てもらっている、この「サイト」という用語の解説がひとつの Webページで、こうした Webページが集まった『事例s』がひとつの Webサイトになる。逆にいうと、『事例s』という「サイト」の中に、たくさんの Webページがある。
サイト(site)は本来、「位置」とか「場所」といった意味。そのため、新たに業務用のコンピューターや通信設備を導入する際、その設置場所を「サイト」ということがあるかもしれない。また、ビジネスの世界では、請求書を出してから実際に支払われるまでの期間を「支払いサイト」というので、これを略して「サイト」ということもある。
とはいえ現在、たとえば「詳しくはサイトで」と言われたら、それは「Webサイトを見てください」という意味だと思ってまず間違いない。
インターネットの世界では、ホームページの情報などを保存しているサーバーと呼ばれるコンピューターの中に Webサイトのデータが保存されている。そして、サーバー自体ではなく、その中にある複数の情報ページがインターネット上に作られた架空の場所という感覚だ。
つまり、インターネットという広大な世界があって、そこにつながれたサーバーひとつひとつが、架空の町だったり、会社の代わりだったり、お店だったり、広場だったりする。で、実際の街でお店などに立ち寄る代わりに、インターネットを通じて Webサイトに立ち寄る。
通常、ひとつの会社や学校、運営者が提供している Webサイト全体を指してサイトと呼ぶことが多い。ただし以前は、Webサイト以外にも、転送データを保存する FTPサイトなどの種類があった。また、商業サイトや公式サイトといったように用途別に分類されることもある。
初稿公開:1997年8月
最終更新:2020年9月
執筆:下島 朗