ケミカルリサイクルとは、主にプラスチックのゴミを原料に戻して再び同類の製品を作ること。ケミカル(chemical)は「科学的な」といった意味。
リサイクルには、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクルの 3種類がある。
まず、鉄やアルミを溶かして、また同じ製品にすることを、マテリアルリサイクルという。一般にイメージするリサイクルはこれだと思う。
しかし、プラスチックの場合、溶かして同じ製品にすると弱くなったり、不純物が混ざったりして品質が下がってしまう。そのため、同じ製品に戻すのではなく、ベンチや建築資材など別の製品にすることが多い。
ただし、プラスチックのゴミを科学的に処理して油やガスなどの「原料」レベルまで戻し、再び製品にする方法がある。これを、ケミカルリサイクルという。
しかし、ケミカルリサイクルを行うには大規模な施設が必要で手間がかかる。そのため、まだまだ比率が低い。
サーマルリサイクルは、プラスチックゴミを燃料として燃やす方法。その熱は、発電やゴミ処理施設周辺の暖房などに使われている。
単に焼却処分するのではなく、一度使ったプラスチックを燃料というカタチで再利用して熱を生み出しているので、これもリサイクルという考え方だ。
最終更新:2021年4月
執筆:下島 朗