クラウドメールは、インターネット上で提供されている電子メール(E-mail)サービスのひとつで、基本的には Webメールと同じもの。
ただし、Webメールと呼ばれているサービスは主に個人向け。これに対して、クラウドメールは業務用として提供されているものが多い。
なお、なかには Google の Gmail のように、基本は個人向けだけど会社のメールアドレスでも利用できて、実質的に業務用クラウドメールとして使えるサービスもある。
さて、一般的な電子メールは以下のような経路で送受信されている。
送信者のパソコンやスマホ → 送信者側のメールサーバー → (インターネット) → 受信者側のメールサーバー → 受信者のパソコンやスマホ
そして、受信した電子メールは、そのとき使ったパソコンやスマホの中に保存される。また、送信した記録も手元の機器の中に残っている。
一方、クラウドメールは以下のようなしくみになっている。
送信者のパソコンやスマホ → 送信者側のメールサーバー → (インターネット) → クラウドメールのサーバー ← 受信者のパソコンやスマホ
クラウドメールのアドレスに送られた電子メールは、クラウドメールのサービスを提供している会社が用意した専用のサーバーに保存される。そして利用者は、インターネットを通じて自分のパソコンやスマホで、そのサーバーの中のメールを見に行く。送信も、そのサーバーを使って行う。
そして、そのとき使った機器の中に送受信の記録が残らない。その反面、普段使っている機器が故障しても、メールの記録はクラウドメールのサーバーの中にあるので送受信記録を失わなくて済む。
ここまでは、Webメールとまったく同じだ。そして、こうした方式や特徴はそのままで、セキュリティを強化したり容量を増やしたりして企業向けのサービスにしたものをクラウドメールと呼ぶことが多い。ただし、個人向けの Webメールと違って有料になる。
また、従来の電子メールと比べると、社内にメールサーバーを置くよりコストを削減できたり、導入スピードを速めることができたりする。メンテナンスの手間も減る。
ただし、利用者やメール容量が多いと逆効果になることもある。また、従来方式の電子メールから移行するのに手間がかかるケースもある。
最終更新:2020年12月
執筆:下島 朗