ガラホとは、ガラパゴス・ケータイ(いわゆるガラケー)とスマートフォン(スマホ)を合わせた造語。
スマホが普及する前、日本ではガラケーと呼ばれる携帯電話端末(電話機)が広く使われていた。これは、独自の基本ソフト(OS)を使い、インターネット接続のほか、デジタルカメラやワンセグ放送、おサイフケータイなどさまざまな機能を搭載した多機能な電話機。
しかし海外では、こうした多機能モデルはあまりなく、シンプルで安価なモデルが普及していた。そのため日本独自の、ガラパゴス化した携帯電話機という意味でガラパゴス・ケータイ(ガラケー)と呼ばれてきた。
その後、スマホの人気が高まって、スマホの販売台数がガラケーを上回るようになった。しかしユーザー数で見ると、ガラケーを使い続けている人も多く、通話はガラケー、ネット利用はスマホという 2台持ちの人もいた。
携帯電話会社(キャリア)や電話機メーカーとしては、技術的に古くてコストがかかり、長期的には需要が減っていくガラケーの部品を確保して生産を続けるのは望ましくない。一方、ガラケーユーザーは使い慣れたガラケーを使い続けたい(スマホに移行したくない)。
こうした状況を受けて、見た目や機能は従来のガラケーのまま、しかし中身はスマホ用の部品やアンドロイドOS を使った携帯電話機が出てきた。こうした端末をガラケー型スマホ、つまりガラホという。
二つ折りの本体に物理的なボタンが付いていて、外見はガラケーに見える。そして、ガラケーで提供されてきた機能を再現している。ただし、従来のガラケーでは利用できなかった SNS に対応するなど、ガラホならでの機能も追加された。
一方でスマートフォンも、おサイフケータイなど日本独自の機能が搭載された機種が増えてきた。そして、これらはガラパゴス・スマートフォンを略して「ガラスマ」といわれることがある。
初稿公開:2015年9月
最終更新:2020年5月
執筆:下島 朗