オンプレミスとは、企業などが情報システムを構築したり利用したりするとき、その会社の中に、あるいはその会社が管理する建物の中にコンピューターや通信機器を設置して運用すること。
オンプレミスの英語表記は on-premise で、premise には「建物」「構内」「店内」などの意味がある。オンプレミスを日本語にすると、「自社運用」とか「社内設置」といった感じ。また、ときどき「オンプレ」と略しているのを見かけることがある。
かつて、オフィスコンピューターと呼ばれる中規模のコンピューターが企業の情報システムの主流だったころは、社内にコンピューターを置いて、社内の担当者が管理するのが一般的だった。そのため、こうした方式に対して特に呼び方はなかった。
しかし今は、クラウド・コンピューティングが普及して、社内に自前の業務用コンピューターを置かないケースが増えている。そのため、これに対する概念としてオンプレミスという表現が使われるようになってきた。
オンプレミスは、単にコンピューター(ハードウェア)が社内にあるというだけでなく、ソフトウェアも自社所有あるいは委託開発した独自もので、システム管理も社内で行うといった意味が含まれていることがある。
実際には、一部のシステムはオンプレミスで、一部の機能やソフトウェアはクラウドというのが一般的だと思う。また、自社所有のハードウェアやソフトウェアをハウジング方式でデータセンターに預けたり、社内設備の運用管理を外部に委託(アウトソーシング)したり、オンプレミスとクラウドの中間的な運用も多い。
初稿公開:2011年1月
最終更新:2021年2月
執筆:下島 朗