インターネットとよく似た、この言葉。実は、仕組みは同じもの。ただし使い方が違う。インターネット用のサーバーやソフトウェアを使って、社内ネットワークを構築したものをイントラネット(Intranet)という。
インターネットの最大のメリットは、世界中の人と通信したり不特定多数の人とコミュニケーションできること。一方、社内ネットワークは、外部の人に見られては困る情報が行き来する。
インターネットのような開放的な技術を使って、社内ネットワークのような閉鎖的なネットワークを作ったのがイントラネットの特徴だ。
かつて、業務用のコンピューターネットワークは、かなり値段が高かった。しかしインターネット用の設備やソフトは相対的に安いので、それを流用すると安価にネットワークを構築できた。
また、必要に応じて段階的に大きくしていくことができる。新しい技術も使えるし、操作方法も簡単だ。さらに、インターネットとイントラネットは仕組みが同じなので、必要なら簡単に、外(インターネット)の情報を見に行くこともできる。
一方で、外部からの不正アクセスなどを防止する仕組み(ファイアウォールなど)をしっかりと構築しておく必要がある。
ただし今は、インターネット自体が多機能化していて、利用法もサービスも多様化している。社内にサーバーを置いてネットワークを構築することが減り、クラウドサービスが普及している。
また、ネットワークのセキュリティは、改めていうまでもなく必須だ。ここまでは社内、ここから先は外といった単純な区分けではなく、エリア(ゾーン)ごとにセキュリティの強さを変えていたりする。
こうしたことから、今は純粋にイントラネットと呼べるものは少なく、イントラネットという言葉が使われる機会も減っている。
初稿公開:1997年6月
最終更新:2020年8月
執筆:下島 朗