アプリケーションソフトとは、さまざまなコンピューターや情報機器で、目的に応じて使うソフトウェアのこと。正式には、アプリケーション・ソフトウェア(Application software)といって、これを略して「アプリケーション」とか「アプリ」ということが多い。
この場合の Application は、「適用」「応用」「活用」といった意味。そのため以前は、日本語化して「応用ソフト」とか「適用業務ソフト」ということもあった。しかし今は、こうした呼び方はほとんど使われてない。
たとえばパソコンの場合、ウィンドウズ(Windows)などの基本ソフト(OS)が、そのパソコンの基本的な操作体系を提供している。そして、その上で使うワープロソフトや表計算ソフト、ブラウザーやメールソフト、グラフィックソフトやゲームソフトなどがアプリケーションソフトにあたる。
スマートフォンやタブレット端末も同じで、まずアンドロイド(Android)や iOS といった基本ソフトがある。そして、その上でさまざまなアプリケーションソフトを使う。ただし、これらのモバイル機器では、単に「アプリ」ということが多い。最近では、パソコン用のアプリケーションソフトも「アプリ」と呼ばれるケースが増えている。
各アプリケーションソフトは対応する基本ソフトが決まっている。そのため、ウィンドウズ・パソコンではウィンドウズ用のアプリを使い、アップルの Mac では macOS に対応したアプリを使う。スマートフォンなどのモバイル機器も同様で、アンドロイド端末ではアンドロイド用のアプリを使い、アップルの iPhone ではiOS 用のアプリを使う。
情報システムの中核となるサーバーも同じで、まずサーバー用の基本ソフトがあって、その上で目的に応じたアプリケーションソフトを動かしている。この場合のアプリケーションソフトとしては、財務管理システムや商品管理などに使うデータベース、インターネットで情報を提供するためのソフトウェアなどがある。かつて、メインフレームと呼ばれていた大型コンピューターでも同様だ。
なお、情報システムでは、使用目的に合わせて独自に開発したり、カスタマイズ(仕様変更)したアプリケーションソフトを使うことが多い。また、こうした情報システムの場合、基本ソフトとアプリケーションソフトの間にミドルウェアと呼ばれるソフウェアトを組み込むこともある。
初稿公開:1997年5月
最終更新:2019年11月
執筆:下島 朗