間伐体験のイベントから、森を知って楽しむイベントへ。
2019年5月19日(日)、さわやかな空気のなかで、今年も『森と踊る木こりフェス』が八王子・恩方の森で開催されました。このイベントは、東京の西部・八王子地域を中心に林業を営む森と踊る株式会社が主催しているもので、今年で5年連続の開催となります。

昨年までは3年連続で、同社が推奨してきた「皮むき間伐」の体験を中心としたイベントでした。間伐(かんばつ)とは、植林されて育ってきた木を間引くことで、通常はそのまま切り倒します。一方、皮むき間伐は、まず木の皮を剥いて立ち枯れされてから切り倒します。この「木の皮を剥く」作業を、誰でも楽しめるイベントにして「木こりフェス」で体験することができました。
過去の「皮むき間伐」を中心とした『森と踊る木こりフェス』の様子は、以下のリンクから見ることができます。
●【イベント事例】森と踊る木こりフェス2017@高尾 vol.1
●【イベント事例】森と踊る木こりフェス2018@高尾

しかし今年は、フェスの内容が変更されて、皮むき間伐は行われませんでした。これには、いくつかの理由があるそうですが、もっとも大きいのは同社の関心が「土の中の環境整備」へと移ってきたことです。
森と踊る株式会社の三木一弥社長(以下、ずーやん)が、この森に入り始めた5年ほど前は、手入れが行き届かず、まずは不要な木を間引いて森を整えることが急務だったそうです。そこで、その方法として皮むき間伐を取り入れてきました。
しかし、イベントとして一般の方に参加してもらえるエリアは、概ね皮むきが終わってしまったこと(もっと奥には、まだまだ整備が必要な森が広がっているそうです)。そして、森の整備を進めるなかで、土の中の環境整備が重要なことを強く意識するようになってきたといいます。
また一方で、これまでの活動を通して森と踊る株式会社に関わる人たちが増えてきました。その人たちを応援するとともに一緒に楽しみたいということで、木こりフェスが、こうした人たちの活動を紹介する場にもなりました。
これらのことから、今年の森と踊る木こりフェスは、さまざまな催しが同時進行する、よりフェスらしいイベントとなりました。
森を巡る、ずーやんのミニツアー
午前と午後に分けて、ずーやんがガイドを務めるミニツアー「森のお手入れ」が開催されました。
午前中は、森の上の方を巡りました。森と踊るでは、ここ数ヶ月、より奥の木を搬出するために林道整備を進めてきました。最初はずーやんも、森に新たな道を作ることがいいことなのか悩んだそうです。
しかし、道を付けて、その山側に垂直な面と溝を作ることで、実は大地が呼吸できるようになって土の中の水の巡りや環境が良くなることを知り、今は地形や木、さらに地中の根に思いを巡らせながら作業を進めているそうです。




午後は、谷側を巡りました。


森と踊るに関連した商品が買える物販コーナー
メイン会場(森のウッドデッキ)の入口に面した林道脇に、森と踊るとご縁のある人たちが小さなショップを出していました。








ランチタイムのお楽しみ、森の演奏会
毎年恒例になっているランチタイムの演奏会。今年は、グーダドラムの第一人者であるダニーロ・強さんが来場されて、本当に気持ちのいい演奏を披露してくれました。



●ダニーロ・強さんの公式ホームページ
森とつながるワークショップ
第2会場の「もののけ広場」では、さまざまなワークショップが開催されました。










■イベント名:森と踊る木こりフェス2019
■開催日:2019年5月19日(日)
■場所:東京都八王子市上恩方町の森
■主催:森と踊る株式会社
■森と踊る株式会社のホームページ
■『事例s』の問合せフォーム
取材日:2019年5月19日 取材・執筆:下島 朗