2018年5月20日、この季節らしい清々しい陽気につつまれた恩方の森で「森と踊る木こりフェス2018@高尾」が開催されました。
林業プチ体験イベントに延べ700名以上が参加
この催しは、森と踊る株式会社が主催している皮むき間伐の体験を中心としたイベントで、今年で3年目になります。昨年までに延べ600人を超える人が参加していて、今回も約100人が東京都八王子市内の高尾近くの森に集まりました。
まず、森と踊る株式会社の三木一弥社長(通称:ずーやん)からイベントの概要についてオリエンテーション。そして、日本の森は世界の中でも特別なこと、その現状など、興味深い話を聞きました。
次に、間伐の必要性について聞きました。世界には、一度木を切ると再生しないで砂漠化する場所があります。そういった地域では、森を守らないといけません。しかし、日本には木を切るべき人工林がたくさんあります。
そして、スタッフによる実演を見て皮むき間伐の方法を学びます。
その後、6つの班に分かれて森へ入り、実際に皮むき間伐を体験しました。
皮を剥かれた木は1~2年かかてゆっくり枯れていき、その後、切り倒されます。通常の間伐では、そのまま切り倒しますが、そうすると木が水分を含んでいるので重く、森から運び出すのが大変です。一方、皮むき間伐してから切った木は乾燥しているため軽く、容易に運び出すことができます。
森の体験から広がる人とビジネスの輪
昼休みには、ゲストとして来場されたアメリカ先住民の人から、自然保護と開発のせめぎ合いについて彼らの体験談を聞きました。続いて、クリスタルボール奏者・YUKIEさんによるクリスタルボールの演奏が行われ、癒しの時間を過ごしました。
そして恒例の、500年後の森を感じるリチュアル。おとな6人が手をつないで広がった輪が、樹齢500年の木の直径に相当するそうです。そこで、6人で手をつないで1本の木を囲み、その木を見上げて500年後の姿を想像します。
この日の参加者の中に、500年後も生きている人はいないでしょう。しかし、この森の中にも大木となって残っている木があるかもしれません。500年後の未来の森と地球と子どもたちに残したい森づくりを一緒に楽しむ。それが、このイベントのテーマのひとつです。
この全天球写真は「森と踊る木こりフェス2018@高尾」の一部です。このイベントの紹介記事を以下のサイトで公開しています。 https://jilays.com/event/ev0007/ – Spherical Image – RICOH THETA
※画面左下のTHETAの文字をクリックすると、よりワイドな画面でご覧いただけます。
午後は、森と踊る株式会社と連携して開発された商品の展示販売ブースが設置されたり、ワークショップが開催されたり、森のフェスらしい時間を共有しました。普段、森に入る機会が少ない人に皮むき間伐を体験してもらう、そんなイベントから新たなビジネスの連携が生まれ、仲間の輪が広がっています。
端材を使ってオブジェを作るワークショップと、木の皮でカゴやブレスレットを作るワークショップ。
木や植物から抽出したエキスを活かした商品の販売。
シルバーと木片を合わせた独創的なアクセサリーの販売。
額縁に間伐材を使用した版画作品。そして、森と踊る株式会社も間伐材の使用事例や間伐材で作った小物を展示。
このほか、さらに間伐作業を行いたい人は再び森へ入り、森について学びたい人にはガイドによるミニツアーが提供されました。
このイベントは家族で参加する人が多く、子どもから高齢者まで皆が自然の中で一日、楽しい時間を過ごすことができます。朝は見ず知らずだった人が、午後にはすっかり打ち解けて、たくさんの笑顔が会場にあふれます。
今回の「森と踊る木こりフェス2018@高尾」も、そんな楽しさいっぱいのイベントになりました。森の魅力、そこに集まる人の魅力が、今年も素晴らしい一日を創りだしました。
■イベント名:森と踊る木こりフェス2018@高尾
■開催日:2018年5月20日(日)
■場所:東京都八王子市恩方町の森
■主催:森と踊る株式会社
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取材日:2018年5月20日 取材・執筆:下島 朗