さまざまなLED業者から提案がありました。
東京都八王子市、国道16号線沿いに店をかまえるナカノオート有限会社様は、1979年(昭和54年)9月にオープンした歴史ある大型バイク店です。通勤・通学に便利な小型スクーターから排気量1000ccを超える大型バイクまで幅広く取り扱っています。新車販売はもちろん中古車の整備や販売にも強く、ちょっとした修理からメンテナンス、車検整備まで店奥の整備スペースで快く対応してくれます。
ナカノオート様の店舗は国道沿いで目立つため、さまざまな業者から照明LED化のアプローチがあったそうでうす。その中から信頼できる1社を選定して、2017年6月に店内および整備スペースの蛍光灯を一気にLED照明に交換しました。
業者選定の決め手は、その業者の方がナカノオート様のお客様でもあったこと。そのため、普段の取り引きを通じて信頼関係ができていたことが一番です。ちなみに、見積り価格は必ずしも最安ではなかったそうです。
蛍光灯204本を器具一体型のLED照明に交換。
店内は、接客カウンターのあるメインの展示スペース、その横にあるサブの展示スペース、2階にある小型スクーターの展示スペース、そして整備スペースに分かれています。LED化する前は、40W型の蛍光灯を2本ずつ使用する一般的な照明器具を使っていました。その総数は102基(204本)で、頻繁に蛍光管の交換が発生していたとのこと。
オフィスや店舗、工場などでよく使われている直管型の蛍光灯をLED照明に替える場合、既存の器具を残して蛍光管の部分だけ替える方法と、器具そのものを付け替える方法があります。どちらの場合も、作業には電気工事士の資格が必要です。
蛍光管だけ替える場合、既存の器具が無駄にならないのがメリットですが、器具の内部にある安定器という部品を切り離して配線をつなぎ直す必要があります。やや手間がかかりますが、以前はこちらの方法が主流でした。将来的に蛍光灯に戻す可能性がある場合、この方法なら復旧が可能です。
しかし最近は、器具ごとLED照明に交換するケースが増えています。この方が、見た目もスッキリ美しくなりますし、照明器具として安定性や信頼性も高いでしょう。また今後は、蛍光灯に戻すケースも少ないと思われます。
電気代の削減効果は月に1万円前後。
ナカノオート様が導入されたLED照明は、パナソニック製のiDシリーズ専用ライトバー(器具)とNNLK42523(照明本体)という組み合わせ。40W型の蛍光灯2本と比較すると、消費電力は約3分の1になります。そして実際、週に6日間、1日あたり約12時間の使用で、月に1万円くらい電気代が下がったそうです。
店舗で照明を付け替えるときは、商品や什器を移動しながら工事を行うので定休日や夜間に作業するケースが多くなります。しかしナカノオート様では、営業時間中に工事を行いました。
施工業者様がバイクユーザーだったため、バイクを上手に移動させながら手際よく工事を進めてくれたそうです。もちろん、お客様が多い時間には作業を中断することもあったそうですが、全102基の交換が3日ほどで終了したとのこと。
LED導入で変わったことは、まず店内が明るくなったそうです。バイクはメカニカルな輝きも魅力のひとつです。そのため、LEDの光とは相性がいいのではないかと思います。また、暖かさを感じるようになったともいいます。
IT、エコ、建築の事例紹介サイト『事例s』のエコ事例「大型バイク店が店内照明をLED化、店内が明るくなりました」という記事に掲載している360°写真です。記事は、https://jilays.com/eco/e0003/でご覧いただけます。 – Spherical Image – RICOH THETA
※画面左下のTHETAの文字をクリックすると、よりワイドな画面でご覧いただけます。
一方、高い位置に設置されたLED照明は、従来の蛍光灯よりやや暗くなったように感じるそうです。そのため、整備スペースはLED照明の増設を検討しているとか。今は、壁付け型のLED照明など多様な製品が揃っているので、使い方に合わせた器具選びが可能です。
●導入器具:パナソニック製iDシリーズ専用ライトバー+NNLK42523
●設置台数:102基
●施工時期:2017年6月
●この施設の見学:可
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取材時期:2017年9月 取材・執筆:下島 朗