以前、ある経営者向けのメルマガに次のようなことが書かれていました。
もしもジャンボ宝くじの1等が当たったら、二流の経営者は、今の事業をやめて新しい事業ができると思うだろう。一流の経営者は、今の事業を拡大できると思うだろう。超一流の経営者は、これまでと同じ社員と共に、同じ顧客に対して同じ事業を提供し続けるだろう。当選金には目もくれないかもしれない。
おそらく私は三流なので、物書きの仕事をやめて自分の願望に走りそうな気がします。なので、宝くじを買うときはミニにしています(笑)。
人には、断ち切ろうとしても断ち切れない、こんこんと湧き上がってくる強い願望があると感じています。いや、「やりたいことが見つからなくて困っている」という人もいるので個人差が大きいのかもしれませんが、私にはあります。
それは、旅したい願望。
—月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也。舟の上に生涯をうかべ、馬の口とらえて老をむかふる物は、日々旅にして旅を栖とす。古人も多く旅に死せるあり。予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず…
ご存知、松尾芭蕉の『おくのほそ道』の書き出しです。
予(下島)も若き頃より、漂泊の思ひやまず…
旅には、人それぞれ理由や目的があるでしょう。まぁ、単に「何が楽しくて旅をするのか」という話ですが。
私の場合、一番の目的は、地域の歴史や文化に触れることでも、旅先で出会う人々との交流でも、美味しい物を食べることでもありません。そうしたことも良いですが、私にとって最大の欲求は『絶景』に出合うことです。
絶景は、そこへ行けば必ず見られるわけではありません。たとえば、こちらで紹介している北アルプス・奥穂高岳からの眺望。私は、これまでに3回、奥穂高岳の山頂に立っています。しかし、1回目と2回目はガスに巻かれて10メートル先も見えない状態。3回目で、この景色と出合うことができました。
もしもジャンボ宝くじの一等が当たったら、私は願望のおもむくまま、ただただ絶景を求めて世界を放浪する自信があります。そして、出合った奇跡的な景色を、拙い写真で皆さんと共有できたらいいなぁと。そのとき使いたい肩書きが、
絶景ハンター。
では、また。
下島 朗